テイスタブル 植物性食品「ニクベジ」展開、香り・風味・食感で差別化、 双日とロイヤルホールディングスの販路を使い100社導入目標に
ベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証も取得しており、ヴィーガンを含めた全ての人を対象に事業を展開している。現在はパティ、ハンバーグ、そぼろなどを冷凍帯で展開しており、レンジで温めればすぐに食べられる。味付けにもこだわり、炭焼きの香ばしい香りを付与することで、おいしさを想起させ、きのこのうまみと昆布のだしをきかせた味付けと、独自技術によりジューシーな食感を実現している。
テイスタブルは、雪印食品の海外商品部から生まれたユニテックフーズの子会社だ。もともと、ハムやソーセージを販売していたノウハウを持ち、ユニテックフーズでは、植物由来のハンバーグなどを作る際に必要な増粘多糖類などの開発を行っていた。その素材を売るために、独自の技術を使って試作品「ニクベジ」を開発したところ、関係各社から高く評価されたことから、ユニテックフーズから派生して、「ニクベジ」に特化したビジネスを展開するテイスタブルが誕生した。
ユニテックフーズは、双日、ロイヤルホールディングスと植物肉事業に関する戦略的業務提携契約を締結しており、両社の販路を使うことで、ヒアリングしたニーズを活かしながら、まずは外食などの業務用から販売を仕掛ける。
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山中昭浩社長によれば、「今年度の目標は100社への導入を掲げている」とし、おいしさはもちろん、オペレーションの簡便さなどもアピールしながら、導入を働き掛けていく考えだ。
テイスタブル・山中昭浩社長
「双日では畜産部隊に販売してもらっている。こだわりのレストランや高級レストランでは、店独自の味付けや形、大きさにこだわりたいところもあることを想定し、『ニクベジ』を生肉として扱えるような商品も開発しており、提案できる状態にある」という。
〈目指すは「カニカマ」、牛・豚・鶏と並び普段使いしてもらえるような食品に〉
動物性原料不使用の植物性食品「ニクベジ」は、ハンバーグやパティ以外に、豆乳クリームを包餡したチーズインハンバーグ風の商品もラインアップしている。他社との差別化ポイントでは、「おいしさ」を強調する。「どんなに環境に良く、カロリーが少なくても、おいしくなければ続かない」とし、味には自信を持っている。日本のだし文化に基づいて味付けしているため、和食との相性も良い。また、日本人にとって馴染みが深い味付けのため、気軽にトライしやすく、植物肉を取り扱ってもらうきっかけとして、外食メーカーに提案を進めている。
同社のコア技術である増粘多糖類は、どこにも負けないジューシーな食感を実現しているという。「増粘多糖類で油脂と水を保持することによって、ジューシーな食感を実現している。レンジで解凍してから鉄板の上で焼くと、ジュージューと音がする」とし、より畜肉に近い調理感などにも配慮されている。
販売では、「大豆ミートはいいイメージがない。大豆ミートというワードは使わず、畜肉ではないことを伝えるために、『ニクベジ』というネーミングにした。目指すポジションはカニカマだ。カニカマはカニの代替品としてだけではなく、独立して存在が認められ、生活に溶け込んでいる。『ニクベジ』も、牛、豚、鶏と並ぶような新しい食材として認知してもらえるよう訴求していきたい。特別な物ではなく、普段使いしてもらえるようなイメージを提案していきたい」と販促の方向性を示した。
〈大豆油糧日報2022年7月22日付〉