六甲バター、植物性「プラントベースチーズ」大阪・関西万博に向け開発、プラントベースフード市場進出へ

六甲バター・塚本浩康社長

六甲バターは8月22日、会場(東京支店)とオンラインのハイブリッド形式で記者懇談会を開催し、2022年度上期(1~6月)の業績と今後の見通し、施策を発表した。

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その中で、2025年大阪・関西万博に向けて、プラントベースチーズ(植物性代替チーズ)を開発し、プラントベースフード(PBF)市場に進出する考えを明かした。

上期業績は、増収減益となった。通期業績予想は期初から変更なく、減収減益としている。塚本浩康社長は「利益改善等を考え、4月から値上げをし、5月20日からはベビーチーズの容量を10%減らした。9月1日からは再び値上げに取り組む」とした。

新規事業については、「チーズアイスクリームを開発し先行販売している。また、2025年大阪・関西万博に向けての取り組みも進める。厳しい状況だが、次の一手を打っていき、お客とコミュニケーションをしっかりとって、価値をわかってもらえる、選んでもらえるQBBブランドでありたい」と強調した。

〈強みの加工技術活かし乳以外の天然素材でつくり出す、チーズ文化継承へ新たな挑戦〉
事業開発部の中尾真範部長は、2025年大阪・関西万博での協賛・出展と、プラントベースチーズの開発、アイスクリーム事業について説明した。万博については、大阪パビリオンに「デラックスパートナー」として参画し、プラントベースチーズを含むPBFメニューを提供する計画だ。

中尾氏は「『おいしそうに見え、実際おいしい』プラントベースチーズが存在することを世界にアピールする」と意気込んだ。

プラントベースチーズは複数の原料を用いて開発中で、万博に先駆けて業務用での販売を目指す。「QBB PLANT MADE」を商標登録出願中で、ロゴも作成した。

中尾氏は「PBFは未来のために必要な食品。当社の強みである加工技術を活かし、チーズらしいおいしさを乳以外の天然素材を使ってつくり出すことで、世界が直面する課題にソリューションを提供したい」とした。また、「長く愛されているチーズ文化を継承するには、新しい食供給システムに挑戦する必要がある」とも述べた。

アイスクリーム事業については、チーズアイスクリームを応援購入サービス「マクアケ」で3日から1000セット限定で先行発売し、8月22日時点で6割まで達成、完売を目指している。2023年春に本格発売する予定だ。

〈大豆油糧日報2022年8月24日付〉