製油14年度決算は厳しい着地、円安横目にシカゴ反落につれた油価軟化が誤算
製油メーカー上場各社の14年度決算と、15年度業績予想は下表のとおりとなった。14年度の製油業界を振り返ると上期は、シカゴ大豆は$15中心で推移、ごま相場の高騰、為替の円安といった原料コストの上昇に加え、消費増税の影響や物流費など諸コストの上昇といった逆風要因目白押しの中で、菜種の搾油採算が良好だったことやコスト削減努力が寄与する形で、ごま高騰の直撃を受けた専業メーカーは大幅減益を強いられたが、業績は概ね良好だった。
しかし第2四半期の後半から第3四半期にかけて市場環境は変化し、食用油の需要自体は堅調ながら、$10をしばしば割り込むシカゴ大豆の反落につられる形で、油価の先安観が市場に広がったことが大きな誤算となり、搾油採算が急速に悪化した。急激に進む円安を横目に、上期の貯金をすっかり取り崩す形となった。
第4四半期に入り、危機感を共有する形で製油各社は相次いで今年1月からの油価改定を発表、イタリアなどでのオリーブ凶作に伴うオリーブ油の値上げ改定も含めた取り組みの結果、一定の油価是正が市場に受け入れられたが、多くが営業・経常減益での着地に終わる、厳しい一年となった。(詳細は本紙にて)