[解 説] 食品用大豆輸入量と用途別使用量推計-輸入大豆・用途別動向
15年の食品大豆市場について、国産大豆の動向に続き、輸入Non-GM食品大豆の動向と、用途別の動向について考えてみたい。
まず、輸入大豆の供給動向をみると、14年の輸入通関(黄大豆のみ)によれば、カナダ大豆は過去最高だった13年からプレミアム(割増奨励金)高が敬遠され、約3万t減の34万5,000tとなった。一方で、米国大豆のコンテナ輸入量は前年から3万t近く増加し、31万2,000tと堅調だった。中国大豆は3万2,000tと1割以上の減少となった。この数字だけを見る限り、25年産国産大豆の約3万tの集荷量減を、輸入大豆で補うという動きは特に感じられず、国産大豆製品と輸入大豆製品とが代替関係には無いことがうかがえる。
15年に入り1~5月累計の輸入通関をみると、中国大豆は前年比8%減の1万7,000t、一方でカナダ大豆は9%増の17万8,000t、米国大豆はコンテナ輸送分で27%増の19万5,000tと大きく増加している。米国大豆、カナダ大豆ともに、今冬の米国西海岸における港湾労働争議の影響による供給不安を懸念して、同時期に前倒し的に船積みを行った結果とみられ、通年の輸入量は、食品大豆の需要に強さはみられないだけに、両国ともに前年並み水準に調整されるものとみられる。(詳細は本紙にて)