新潟大のロシア極東部・カザフスタンにおける食品大豆試験栽培事業で報告会

新潟大学は、農水省の補助事業により14~15年度にかけて行った、ロシア(沿海州、アムール州)とカザフスタンにおける、Non-GM食品大豆の試験栽培と、同地における大豆生産動向に関する報告会を25日、新潟市内で行った。

教育研究の極東アジア・ユーラシア展開を進める新潟大学が、農水省の「開発途上国への農業投資促進事業」を通じて、潜在的な農業生産力を持つロシア極東部とカザフスタンにおいて、大豆栽培技術などを生かしてNon-GM食品大豆の安定供給への寄与と、日本の食文化に貢献することが主な目的。

開会にあたりあいさつした、新潟大の渡邉剛志農学部長は「農学部では食料生産と環境保全に関する幅広い基礎学力と総合的な応用力を備えた、世界で活躍できる創造性豊かな人材育成を目標としている。近年では、企業のグローバル展開にも貢献できるように、改革を進めている。その意味で今回の事業は、農学部の目指す方向と軌を一にしている。Non-GM食用大豆は日本の伝統的な食品の原料として使われており、みそ・しょうゆ、豆腐、納豆の製造業は新潟県の食品産業にとっても重要だ。しかし、(輸入食品大豆の)多くは米国・カナダと、非常に限られた国が供給源となっており、距離的に近く、潜在的に農業生産力が高いロシアの極東部、カザフスタンに求めることができれば、というのが着想だ。ロシアやカザフスタンの農業アカデミーや農業大学と協定を結ぶなど、交流も着々と進めており、日本の食料安保に寄与することを祈念している」と述べた。(詳細は本紙にて)