檜前慶一・昭和産業取締役専務執行役員に聞く-春の食用油特集③

–15年度の油脂事業を振り返るといかがですか。

上期では、昨年4月の油価改定は非常に苦しかった。円安などによる原料調達コストの上昇、物流費の増加、原料菜種の油分低下が収益に影響していることを説明し、顧客からは一定の理解を得たが、原料相場がその間軟化したことなどもあって、目標未達という厳しい結果となった。

しかし同時期に、当社の小麦粉やパスタを含めて、他の食材の価格改定は一定の進捗をみており、その中で食用油は適正価格化が進まなかったことは反省点と思っている。

下期は、大豆・菜種共に豊作という中で原料相場はもっと下がる環境ではあったが、エネルギーコストが下がり、為替も円高にふれるなど、ややコスト環境が改善した一方で、12月頃からのミール価格の下落により食用油の採算は悪化した。なお、中食・外食需要が拡大する中で、業務用油の販売数量は前年を上回ることができた。(詳細は本紙にて)