しょうゆ業界トップに聞く-現状と方向性、藤村公苗・キッコーマン食品取締役常務執行役員

──全体の市場動向は。

昨年1年間の出荷量は業界全体で1.2%減であり、漸減傾向は変わらない。ただ、昨年度(4~3月)の家庭用は数量こそ前年並みだが金額ベースは5%程度増加した。当社の「いつでも新鮮」を含めた鮮度容器による単価アップが見られた。長期的に見て、今後市場で数量が増加することは考えづらく、品質、容器等の高付加価値化による単価アップが業界として必要になる。一方、原材料市況を見ると、原油、大豆、小麦ともそこそこ落ち着いている。ただ大豆は直近で上昇しており、予断を許さない。

市場が縮小する中で、原材料価格が上がっても価格改定することは現実的には非常に難しい。メーカーとして将来に渡って安定的に事業を行うために、商品の高付加価値化に努めるとともに、グループとして生産性を向上させ、ムダの削減など体質改善を行っている。人口が減少する中、単品多量販売の時代は終わり、付加価値販売(バリューセリング)による利益重視の姿勢が求められる。(詳細は本紙にて)