ハナマルキ「熟成こうじパウダー」業務用で発売、塩こうじ事業の底上げに期待
ハナマルキは9月12日、発酵熟成させた塩こうじを加熱乾燥することで粉末化した発酵調味料「熟成こうじパウダー」を開発、業務用商品として30日から発売することを明らかにした。
〈5年後には塩こうじ事業全体で30億円までの拡大を計画/ハナマルキ〉
粒・液体・粉末と塩こうじの形状バリエーションが増えることで、現在15億円(2021年実績)の塩こうじ事業を5年後には30億円まで拡大させることを宣言。平田伸行取締役は、「非常に画期的な開発だと思う。粉末という形態が加わることで、これまでアプローチできなかった市場にもアプローチしていける」と期待感を表した。
画期的な開発について、同社のR&Dセンター管掌の千葉智執行役員は、「塩こうじは米と麹の働きによってうま味成分が生まれているが、その成分を加熱乾燥することで、味をさらに底上げするようなコク味成分『メラノイジン』を引き出すことに成功した」とし、「メラノイジン」の働きにより、味の厚み強化、味わいの持続性向上など多岐にわたる機能を持っていることを明かした(特許出願中)。メニューによっては、乳風味、うま味、濃厚感、スパイス感などの向上が期待できるとしている。
また、千葉執行役員によれば、「カレーや明太子、キムチなど、辛みをメインとした食品の辛みも向上させることができる」としている。
「熟成こうじパウダー」は粉末のため、液体やペーストといった形状では導入にハードルのあったプレミックスやシーズニング関連の市場にアプローチが可能になる。特に、海外では両市場ともに大きな市場であることから、「熟成こうじパウダー」の海外での販路拡大も見込んでいる。さらに、液体やペーストよりも、輸送コストの削減や長期保存が可能になることで、海外での導入メリットも高まるとしている。
千葉執行役員は、「熟成こうじパウダー」による新たな市場開拓の可能性について、「米、麹、酵母、大豆とった4つの素材で、さまざまな味を作り出している。海外で麹はすでに注目されている素材のひとつ。海外の食品展示会における試食では、『違いがよくわかる』と日本人のみならず、海外でもきちんと評価されている。今後とも米と麹の相互作用によって生み出される調味料をこれからもどんどん作り出していきたい」と抱負を語った。