茂木食品工業「サラダバーグ」国内外で好調、こんにゃく使用の大豆ミート

茂木食品工業「サラダバーグ」
茂木食品工業「サラダバーグ」

こんにゃくメーカー茂木食品工業(群馬県甘楽郡)が2021年6月に発売した大豆ミート「サラダバーグ」が好調だ。

2022年8月には専用ラインも導入し、1日3,000パックの製造が可能になった。スーパーで採用が進み、OEMの依頼も数社から受けている。さらに、香港向けの輸出も開始したことで、6~7月には月2万パックの販売を達成した。

※OEM=メーカーが他社ブランドの製品を製造すること、またはその受託側企業。

茂木大悟経営戦略室長は好調要因を、「こんにゃくを使っていてヘルシーなこと」と分析する。添加物もこんにゃくを固めるためのものに限っており、大豆臭も少ないのが特徴だという。「薄味のためソースなどで調整し、自分の好みに合わせられる」といい、海外でもローカライズが不要だと説明する。レトルト殺菌をかけており、常温で300日間の保存が可能だ。ヴィーガン・グルテンフリー対応商品であることも評価されている。

OEMの依頼は流通や問屋の数社から受けている。2022年1月以降、長野県や群馬県で店舗展開するスーパーから週1,500パックの発注がコンスタントにあり、店頭では平台で注目の商品という形で販売されている。

香港への輸出は輸出商社を通し、香港で300店舗ほど展開しているスーパーに採用された。海外はドイツ、フランス、米国にも少しずつ輸出実績が増えており、タイ、オランダ、カナダにも展開して欲しいという話が来ているという。

〈サラダチキンに代わり「アスリート」提案、「リッチセラミド」は美容ニーズにも〉

7月からは水平展開を目指し、「サラダバーグアスリート」と「サラダバーグリッチセラミド」を新発売した。「アスリート」はゴールドジムでテスト販売が開始され、ライザップのECサイトでは、たん白質もしっかり摂りたいが、美容にも気を付けたいというニーズにマッチするとして、両商品が販売されている。「国内ジムの2トップに認めてもらった」と手応えを語る。

「アスリート」は、ピンポイントで身体づくりをしている人がターゲットだ。「コロナ太りが社会問題になり、ジムに通う人や健康に高い意識を持つ人は多く、サダラチキンやプロテイン・豆腐バーなどの高たん白商品が増えている。プラントベース100%で、サラダチキンに代わる商品として提案する」と述べる。

カレー味にした理由については、「少量でも大豆臭のマスキング効果を発揮する。国民食で好きな人も多い。カレー粉は微妙な配合で味が変わる。スパイスのみのカレー粉のサンプルを10種類集め、万人受けするカレーパウダーを選ぶのには時間がかかった」と振り返る。

茂木食品工業「サラダバーグアスリート」
茂木食品工業「サラダバーグアスリート」

「リッチセラミド」は、美容意識の高い人に向けて、エステ店などのレジ横に置いてもらうことを目指す。セラミドは皮膚の角質層に存在する保湿成分で、化粧水や美容液などにも使われる。茂木食品工業のECサイトではカプセルタイプの「こんにゃくセラミド」を販売しており、大きな売上構成比を占めている。

「リッチセラミド」はトマトベースの味つけで、ごまをアクセントにしてプチプチの食感を加えて、おいしく食べられるように工夫した。

茂木食品工業「サラダバーグリッチセラミド」
茂木食品工業「サラダバーグリッチセラミド」

今後のシリーズ化について、共同開発を進めているのは、サラダチキンの大豆ミートバージョンで、鶏肉のような食感の商品だという。「当社の一番の使命としては、こんにゃくの消費を拡大することだ。『サラダバーグ』からこんにゃくに入ってもらい、こんにゃくの凄さや日本ブランドの大豆ミートを拡げていきたい。将来的には専用工場の設立も視野に入れ、国内の大豆ミート市場を引っ張っていけるように、認知拡大に取り組む」と展望を語る。

〈大豆油糧日報2022年9月21日付〉

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