関西味噌生販協議会 新会長に土屋勇蔵氏、30年務めた土屋福蔵会長は常任相談役へ
関西味噌生販協議会は10月19日、大阪市内のホテルで、3年ぶりに対面で総会を開催した。
総会終盤に行われた役員改選では、土屋勇蔵PR委員長(ジャポニックス社長)が会長に選任され、会長として30年間業界をけん引してきた土屋福蔵会長(ジャポニックス会長)からバトンが継がれた。土屋会長は勇退し、常任相談役に就いた。新PR委員長には芝本良隆・芝本商店社長が就任した。PR活動では、キッズプラザ大阪、大阪天神祭りの食育イベントへの参加を復活する。
総会の開催あいさつで、土屋福蔵会長は「当会は1966年に発足し、初代会長に父が就任した。1971年に父が逝去し、私は常任理事に就いた。50歳のときに会長に就任し、今年80歳になった。変化に富んだ時代だった」と振り返った。みその値上げに触れ、「1990年に値上げを行い、2008年9月のリーマンショック前にも、値上げを行った。その後厳しい状況となったが、業界は耐え忍んだ。しかしここにきて、それではすまされないような状況にあり、物価、人件費の問題、物流の24年問題を抱えている」と厳しい環境を示した。
続けて、「みその売り場はだんだん縮小されてきた。選んで置いた商品で企業(売り場)のスタイルがわかる時代に入ってくる。生き残る方法は十分ある。簡便な即席みそ、液状みそを選ぶ人もいれば、みそが好きな、みそにこだわる人は生みそを食べる。自分の生き方を考え、がんばってほしい」とメーカーを勇気づけた。
〈みそを身近に20代・その下の世代へのPRが大事、当たり前と考えず取り組む〉
役員改選で選任された土屋勇蔵新会長は就任あいさつで、「役員会の前に、父から『そろそろ代わろう』と言われた。どういうことをやるのか、どう引き継ぐかわからないままではあるが、しっかり務めたい」と意欲を示した。
また、「この場にいる人にとって、みそはある程度身近だったと思う。先日20代の社員が、『この会社に入ってからみそが身近になった』と話していた。20代の中にも、みそが身近な人、身近でない人がいる。PR活動を行ってきて、その効果を検証してもわからなかったが、20代、その下の世代の現状を見ると、PRが大事だと感じた」と述べた。
続けて、「20代の社員の話は、当たり前だと思っていることが当たり前ではないと、常識が破られた瞬間だった」とし、「当会も当たり前だとは考えず、参加、意見交換をし、取り組んでいきたい。また、当たり前の反対は、ありがとう(有り難い)。会長、ありがとうございました」と50年間同会をけん引してきた土屋福蔵氏に感謝を述べた。
〈大豆油糧日報2022年10月21日付〉