第63回「全国味噌鑑評会」開催、出品305点を審査で“日本一のみそ”決める、フランス・パリ見本市に出展も/全国味噌工業協同組合連合会

審査長の中央味噌研究所・柏木豊理事

全国味噌工業協同組合連合会(全味工連)は10月12日~26日、「日本一のみそ」を決める、第63回全国味噌鑑評会の審査会(審査長=中央味噌研究所・柏木豊理事)を3年ぶりに全中・全味ビルで行った。

審査長の中央味噌研究所・柏木豊理事
審査長の中央味噌研究所・柏木豊理事

審査会ではコロナ感染対策として、審査の方法を変更した。従来は30人近い審査員が2日間で一斉に審査していたが、今回は審査員を24人に減らし、間隔を空けて着席してもらい、1グループ6人で、4グループが3週に分けて審査した。

来月の一般公開はマスク着用になるため、従来のように匂いを嗅いだり、なめたりすることはできない。今回は透明の袋に入ったみそを展示するのみでの公開となる。

今回の出品数は前回に比べ75点減となる305点となった。うち、選考の対象となるメーカーのみそは349点となることから、実際は前回に比べ44点減に止まったといえる。

農水大臣賞などの審査結果は、後日発表され、表彰式は11月17日に鉄鋼会館(東京・日本橋)で行われる。

柏木審査長による鑑評会の記者説明会では、「3年ぶりの開催で、コロナ禍はまだ続いていることから、出品数の減り方が激しいのではないかと心配していたが、300点を超える出品があったことでほっとしている。赤色系辛口の米みそは出品数が多く、中核を成すところだが、力作が多かった。猛暑の関係でみその色がくすんでしまう傾向にあったが、色が鮮やかで品質の良い状態の製品が多く見られた。また、淡色系の甘くて白いみそは夏の高温の影響を受け、色が赤みの入ったくすんだ色になっていた。赤色系はいい色が出てきている。近年は鮮やかすぎる印象があったが、今回は落ち着いた感じの色のみそがみられた」と全体を評した。

〈全味工連、シアル・パリ見本市に業界として初出展、参加企業10社、商品提供5社〉

また、全味工連は10月15日から19日までの5日間、フランス・パリで行われたシアル・パリ見本市に業界として初めて出展し、好評得たと伝えている。

今回の出展では、国の「品目団体輸出力強化緊急支援事業」の補助を受け、日本の「みその多様性」を前面に出すことによりマーケットの裾野をあらかじめ構築し、今後の国内みそ製造業に海外マーケットへの平等な機会を用意することをコンセプトとしたという。

ブースの展示では、日本であることがひと目でわかるブースのデザインとし、展示物やパンフレット、映像などによって、みそを知ってもらい、試食やきき味噌などをにより、みそを体験してもらうことで、みその多様性を理解してもらうことを心掛けたとしている。

参加企業10社(岩田醸造、丸十大屋、マルコメ、竹屋、イチビキ、のだみそ、米忠味噌、フンドーキン醤油、早川しょうゆみそ、加賀味噌食品工業協業組合)と商品提供企業5社(会津天宝醸造、山高味噌、佐藤醸造、中利、新庄みそ)で北海道から九州までの各地域、また米みそ、麦みそ、豆みそを網羅した。参加企業には日本の「みそ」を先ず売り込むことに協力して取り組み、その上で各社商談に展開していったとしている。

全味工連では、「参加者からは今回の出展について、業界としての出展の意義が感じられたとの声もあり概ね好評だった」とコメントを寄せている。

〈大豆油糧日報2022年10月28日付〉

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