エヌ・ディ・シー、大豆100%の大豆麺好調、大きな柱に成長【大豆機能性特集】
大豆食品メーカーのエヌ・ディ・シー(岐阜県各務原市)は、大豆スナック、大豆ミート、大豆麺、大豆のペットフードなどを開発・生産している会社で、ここ数年で急速に業績を伸ばしている。中でも、大豆麺の販売は大きく伸長しており、今一番勢いのあるアイテムとして大きな期待を寄せている。
エヌ・ディ・シーの市川吉徳社長は、「弊社の大豆麺の特徴は大豆100%で作っていること。大豆100%で細い麺を作ることは理論上できることは分かっていた。しかし、数多くの失敗と改善を繰り返すことで実現することができた」と述べる。改善では、大豆素材の状態や機械の設定など、さまざまなリサーチを繰り返しながら、細かい調整を何度も試して成功にたどり着いた。
「弊社で使っている大豆麺を製造する機械はもともと、世の中に無かった。機械メーカーには、大豆に関する知識と経験がない。そのため、社内でどういう素材の部品が必要かなど、機械を設計するところから開発は始まった。また、この製造機械を販売しても、運用ノウハウを知らないと同じ製品をつくることはできない。弊社の強みはそこにある」と自信をみせる。
大豆麺の販売については、「ネット通販とテレビショッピングで多く売り上げている。ダイエットや低糖質というニーズから、現在はプロテインやロカボといったニーズに流れが完全に変わった。小麦の麺よりも大豆麺の方が、圧倒的にたん白質が摂れるので、食べる量がだんだん減ってきた50~60代以上の人、また妊娠している人で、子どもの発育を考えて栄養を摂りたいと考えている人などからの引き合いが強い」とし、たん白質摂取に対する需要はここ数年で大きく伸びてきたと指摘する。
小売については、「量販店やコンビニでは価格勝負になってしまうので、価値で勝負できる売場の方が望ましい。商品の良さをきちんと訴求できるネット通販や高級スーパーでの販売を考えている。外食での販売は難しいと考えている。外食では特別な料理、普段食べない料理を求めて来店する人の方が多い。そのため、たん白質や低糖質といった切り口では売れないのではないか。ただ、高級レストランからの引き合いはあった。グルテンフリー、プロテイン、低糖質であることから、ギルトフリーといった切り口で販売するケースもあった」と大豆麺の価値に見合った価格での販売に注力するという。
大豆麺の売上は、「数年前は全体の1割程度だったが、現時点で2割、来年は3割を超えてくるとし、大豆ミート、大豆スナック、大豆のペットフードに続く第4の柱になると考えている」とする。
〈「インスタントカップ大豆ヌードル」2023年発売予定、圧倒的なヘルシーさを訴求〉
2022年7月には、インスタント大豆ヌードルを開発した。「お湯を注ぐだけで食べられる、そのうえで原材料の99%が国産大豆、残り1%はラーメンでおなじみのかん水だけで、合成着色料、保存料も不使用だ。大豆の栄養をまるごと詰め込んでおり、罪悪感ゼロのギルトフリーな麺だ。これまでになかった圧倒的にヘルシーで、プラントベースのファストフードが『インスタントカップ大豆ヌードル』」であることをうたい文句にして製品の価値を打ち出していきたい考えだ。
スープも開発されており、あとはセットアップするだけだといい、販売は2023年を予定している。「大豆麺の市場は参入企業も多くなり、競争が激化する可能性が高い。弊社はいかに差別化を図り、大手メーカーの競争に巻き込まれない商品を開発していきたい」とし、付加価値の高い商品での勝負に力注ぐ。
〈大豆油糧日報2022年11月11日付〉