第63回「全国味噌鑑評会」受賞者決定、マルコメ、ハナマルキなど6社が農水大臣賞、「受賞の表示」も可能に
全国味噌工業協同組合連合会(全味)は11月17日、「第63回全国味噌鑑評会」の表彰式を都内で行った。
農水大臣賞の6品は、「西京白みそ丹」(出品者:西京味噌、京都)、「米こうじ」(マルコメ、長野)、越後かねゆう(渋谷商店、新潟)、「特別吟醸づくり 深雪みそ」(あおき味噌、新潟)、「田舎みそ」(ハナマルキ、群馬)、「至宝」(イチビキ、愛知)──が受賞した。
農林水産省大臣官房長賞の15品は、「雪ちゃん甘口こうじみそ」(日本海味噌醤油、富山)、「蔵王雪国 甘口」(紅谷醸造場、山形)、「善光寺みそ」(よしのや、長野)、「竹伝 麹みそ」(竹屋、長野)、「特撰新潟県産の大豆と米でつくったこうじみそ」(峰村商店、新潟)、「越後の恵み」(奈良橋醸造、新潟)、「紅一点 石狩こし」(岩田醸造、北海道)、「特製仙台味噌」(川敬醸造、宮城)、「匠の味 赤みそ」(越後一、新潟)、「一途」(丸久味噌、新潟)、「おがわみそ 復酵 つぶ」(小川醸造場、長野)、「家康」(マルサンアイ、愛知)、フンドーキン 九州の麦みそ」(大分みそ協業組合、大分)、「長崎みそ」(長工醤油味噌協同組合、長崎)、「フジジン特撰 生の膳」(二豊味噌協業組合、大分)──となった。
松本耕作・中央味噌研究所理事長は冒頭あいさつで、「審査の過程は審査員が密になり感染の懸念を拭い去ることができないことから、審査員の安全を第一に、この2年間実施を見送ってきた。しかし、何とか実施できないものかとの声に押され、審査の方法などを再考し、出品者の協力も得ながら、何とか開催にこぎ着けた。
また、今回は長年議論してきた「受賞の表示」について、農林水産省の理解を賜り、表示が可能になった。みそは生き物だから、審査時と同等の品質が保たれることを事業者が確認できる場合など、制限には厳しいものがあるが、表示解禁の一歩をしるした事は意義あることと考える」と述べた。
〈出品305件中95.1%が秀・優で高評価、夏の高温下でも自然で優れた製品多く〉
柏木豊審査長(中央味噌研究所理事)による講評では、「出品数は305件、前回に比べ75件の減少となった。審査はみその区分・分類ごとに、審査員の協議により、秀・優・良・可の格付けを行った。出品総数に対して、秀の割合は43.6%となり前回に比べて0.2ポイント少なくなったが、優の割合は51.5%となり、前回に比べて3.6ポイント多くなった。秀と優を合せると95.1%となり、高評価の出品が多く、例年と同様の結果となった。秀と優の割合が高く、非常に厳選された出品が多かった」とした。
審査の所感では、「甘みそ、赤色系・辛口・漉し、麦みそ・赤色系において、前回より出品数が減少したが、その他の区分では、出品数はほぼ維持しており、各メーカーの頑張りが伺われた。甘みそ、甘口みそ、淡色系・辛口・漉し、淡色系・辛口・粒は、淡色系の色調を維持し、良好な香り、うま味を備えた優れた製品が多く出品された。淡赤色系・辛口・粒、赤色系・辛口・漉し、赤色系・辛口・粒では、香り、うま味に加えて、良好な赤色の色調が求められる。
夏の高温により、色調が心配されたが、自然で、優れた製品が多く、大変な激戦となった。また、麦みそ・淡色系、麦みそ・赤色系、米と麦の調合みそでは、高評価を得た製品においては、色調、香味ともに良好で、非常に難しい区分だったが、近年の高温の条件下の中では、生産者の技術力、努力は並々ならぬものであったと考えられる。今回は若干出品数が少なかったが、玄米こうじみその品質が例年より高くなっていた」と特徴のあるみその区分について所感を述べた。
〈大豆油糧日報2022年11月21日付〉