【大豆ミートの最前線】マルコメ「大豆のお肉」に新形状スライスタイプ投入、トレーパックでの販売も
マルコメは2023年春夏の新商品として、「大豆のお肉」に新形状のスライスタイプを投入した。
消費者の使い勝手に合わせて、乾燥とレトルトの2つのタイプを用意した。レトルトタイプでは加食(加工食品)部門と日配(日々納入する商品)部門の2つのタイプをそろえ、複数の売場で販売することで、露出度を高め、購入率アップを目指す。
マルコメでは、「ミンチタイプのトレーパックが伸長している中で、スライスタイプのトレーパックを2023年春夏発表会で提案したところ、流通各社からの反応が非常に良く、これから注力していく予定」とし、スライスタイプにおいても、トレーパックでの販売を訴求する。
乾燥タイプでは湯戻しの時間を短縮し、さらに使いやすくした。また、乾燥・レトルトともに、たれやソースが絡みやすい表面の凸凹感で、食感にもこだわっている。開発で技術的に難しかったことについてマルコメは、「こま切れ肉のような薄さにしながら歯ごたえのある食感に仕上げることに苦労した」としている。
なお、「大豆のお肉」の原材料は、脱脂大豆から丸大豆に変更する傾向にあり、従来品よりも大豆臭を約70%カットしている。また従来品に含まれていた小麦アレルゲンもなく、動物性原料も使用していない。
〈これまで以上に食卓出現率を高める、使い慣れている食材と同様の使い方訴求〉
スライスタイプを投入した狙いについて、同社では、「肉メニューで汎用性の高いこま切れタイプを商品化することで、これまで以上に食卓出現率を高めていく点にある。日常、使い慣れている食材と同様の使い方を訴求することで、より身近な存在に近づけることに期待している」としている。
販促では、「焼肉、バーベキューなどスライス形状と相性の良い企画に対して、健康感やギルトフリー、SDGsといったトレンドを補完するような訴求を検討している」とし、消費者の環境への意識向上を狙う。今後の展開については、「形状や形態に限らず、生活者のニーズは多様化しているため、今後も改良やラインナップの拡充を重ねていく方針」とし、品質の向上を重ねることで、更なる業績向上を目指していきたい考えだ。
〈大豆油糧日報2023年2月17日付〉