やまみ 2023年6月期中間決算会見、関東圏市場でメイン商材取引への切り替え目指す
やまみは2月21日、2023年6月期・第2四半期決算会見をオンラインにて開催した。山名清会長、山名徹社長が、第2四半期決算概要や、通期の見通しなどを説明した。
やまみの第2四半期決算は、売上高は前年同期比13.0%増の78億3800万円、営業利益は10.2%減の5億400万円、経常利益は8.4%減の5億2100万円、四半期純利益は6.2%減の3億5200万円と増収減益だった。
山名会長は「大豆の価格や、特にエネルギー費の高騰が想定以上だった。価格改定の是正がまだ道半ばだが、売上が順調に伸び、150億円を達成できそうだ」と話した。
拠点別収益は、富士山麓工場は、新商品を中心に取引深耕が順調に進展しシェアを拡大した。コストアップの影響が大きく期初想定は下回るが、原価償却費の減少や稼働率の向上により赤字幅は縮小した。
本社工場・関西工場売上は、不採算取引の価格是正が進み堅調に推移した。特に、関西エリアでの売上が既存取引先の深耕により大きく伸長した。利益面では、原材料や光熱費の高騰の影響を受けながらも、関西工場で増益となるなど、期初想定以上の利益を確保した。
商品面では、「高付加価値商品の動きが大きかった」(山名会長)とし、焼豆腐や油揚げなど大量生産が難しい商品や、カット3P豆腐といった差別化商品が大きく売上を伸ばしたという。また関東圏市場開拓の状況について、「北海道とよまさり」シリーズをはじめとした国産大豆を原材料とする商品の導入がけん引したという。「メイン商材の取引が少ないので、メイン商材に切り替えられるように戦略を練っていく。他社がローコストでできにくい部分に注力していく」とする。同社では、売上の20%が国産大豆使用の商品を占めているが、今後は40%を目指すとした。
〈新商品は北海道産6個タイプの派生品など「98~128円のゾーンを攻めていく」〉
続いて、山名社長が通期見通しを説明した。通期業績予想は、売上高は8.6%増の150億円、営業利益は0.3%増の9億500万円、経常利益は1.9%増の9億2000万円、当期純利益は15.5%増の7億円を見込む。
売上高は上期の計画上振れを考慮して期初予想を上方修正した。利益予想も国産大豆使用の新商品が好評だったことから、収益改善傾向は下期以降も維持できると判断し、上方修正した。加えて、補助金収入2億円を特別利益として計上する予定となっている。
上期に投入する新商品は、関東で好調だった「禅豆腐 北海道産とよまさり絹ごし豆腐6個」の派生品にあたる「北海道産大豆濃まるPREMIUM」(80g×4)、「国産大豆濃厚一徹」(90g×4)のほか、「ジュワっと味しみのいいきざみ揚げ」(65g)、「北海道産大豆濃うまPREMIUM」(150g×3)、「国産大豆枝豆一徹」(90g×4)を予定している。山名社長によると「今まで手をつけてこなかった98~128円のゾーンを攻めていく商品となっている」という。
また、省エネへの取り組みとして、今期から本社第3工場・関西工場における高効率ボイラーへの更新や、本社第1~第3工場での工場内蒸気配管の保湿、本社第1~第2工場および関西工場でボイラードレン回収タンクのフラッシュ蒸気回収の導入、本社工場・関西工場で高温水用軟水装置への更新を実施する。「引き続き、機械の更新などでSDGsの取り組みを加速していく」(山名社長)としている。
〈大豆油糧日報2023年2月28日付〉