植物由来の代替卵「ウマミエッグ」市場価値上昇中、こんにゃく使用でしっとり食感/ウマミユナイテッドジャパン
ウマミユナイテッドジャパン(東京都台東区)の提案する粉末タイプのプラントベースエッグ「ウマミエッグ」の市場価値が上向き始めている。
山﨑寛斗社長によれば、日本国内で卵を代替できるものがほとんど存在しないという。卵はさまざまな食品に使われている。そのメニューの数は膨大だ。スクランブルエッグやオムライスといった卵を加工した製品は登場しているが、原材料としての卵という意味では、競合他社はほぼ日本にはいないということらしい。
鳥インフルエンザの影響で卵の安定供給に不安があるため、価格も安定していない。そのため、以前から卵の代替に対するニーズは潜在的にあったと山﨑社長は指摘する。「卵の代替に対する研究が全く進んでいなかったことに可能性と課題を感じて、そこでチャレンジしたいと考えた」。日本の食品メーカーへのプレゼンテーションは、予定通りに進み、その成果が2023年の中旬から公にされるとする。
「ウマミエッグ」は着眼点や提案性だけが受け入れられているわけではない。製品の完成度も「ウマミエッグ」の拡大を加速させている大きな要因となっている。
「主原料はこんにゃくを使い、独自のうま味成分はきくらげから作っている。他社の流通している代替卵は豆のたん白質を使う場合が多く、それらを用いてケーキや菓子類を作る場合、パサついてしまい、豆独特のにおいも残る。こんにゃく粉であればニュートラルな味わいでパサつかず保水ができるのでしっとりした食感を実現できる」と強調する。
〈豆乳と混ぜ合わせてオムレツなどに、大手メーカーから引き合いや共同開発のオファー〉
「ウマミエッグ」における商品ラインアップは、「ウマミエッグ」と「らくぷりんミックス」の2種類となる。「ウマミエッグ」は植物性原料100%の粉末タイプだ。コレステロールフリーであり、製造は安心安全の国内生産としている。豆乳と混ぜ合わせて加熱するとオムレツやスクランブルエッグになり、焼き菓子など製菓材料としても使用できるとしている。
「らくぷりんミックス」も植物性原料100%の粉末タイプ。混ぜる、加熱、冷やすの3ステップでなめらかな食感のプリンが出来上がる。きび糖を使用して優しい甘みを実現している。カスタードも作れる。
日本における導入事例は、外食店舗も含めて約30店舗とし、現在も増えている状況だ。卵が不足している大手の製菓製パンメーカーからの引き合いもあるという。
山﨑社長によれば、「卵を含む総菜類を製造している大手メーカーや、多数の大手洋菓子メーカーなどから、共同で製品開発したいというオファーが来ており、年内中にリリースできるはず。
また、鳥インフルエンザの影響で、液卵の供給量が去年の75%に止まっている。『ウマミエッグ』で供給難を乗り越えたいという問い合わせも多く、かなり大きな案件が動いている」と話す。
現在、ウマミユナイテッドジャパンは米国で開催されている食品展示会に出展し、市場の可能性を見て、資金調達を試みている。また、日本では、大手外食チェーンに「ウマミエッグ」を導入してもらい、本物とうま味、コク、食感が遜色ないことも実感してもらって、既成事実を増やしていくことに注力していくとする。
最後に山﨑社長は、「3年以内には、米国の西海岸から全土に『ウマミエッグ』を展開していきたい。大手食品メーカーが当たり前のように、卵の代替を考えなければならない時期に来ているので、そこで、トップシェアを目指す。パソコンに例えるなら、インテルのような素材になりたい」と希望を膨らませ、大輪を咲かせるための準備を着々と進めている。
〈大豆油糧日報2023年3月20日付〉