ひかり味噌、2023年9月期売上は7%増190億円見込む、来期は200億円超えを宣言

ひかり味噌「塩分ハーフ」
ひかり味噌「塩分ハーフ」

ひかり味噌は7月26日、2023年秋冬の新商品発表会を都内で開催し、「塩分ハーフ」や2023年度版「味噌ヌーボー初熟(はつなり)」を紹介した。

冒頭あいさつした林善博社長は、「2023年9月期売上は前期比7%増の190億円を見込んでいる。来期については200億円の大台を確実に超える。主力のみその出荷量は2023年9月期の見込みで5%増の4万5,400tを予定している。2022年2月から大型の設備投資をして、供給力を拡大している。それが半年弱寄与している。2022年10月から2023年9月に至るまで、約2000t上乗せして、5%増としている。来期についても最低2000t、できれば3000tの増販が可能であると読んでいる」と強気の来期予測を示した。

ひかり味噌・林善博社長
ひかり味噌・林善博社長

個別の商品の販売動向については、「2022年8月に発売した『CRAFT MISO 生糀』は新しいみその食べ方、使い方を示すことができた。パッケージデザインでも非常にユニークで、売場で目立つデザインが、流通や消費者から好評だ。私の過去25年のみそ人生の中で、最も早く配荷が進み、採用された店舗についても、1週間に販売される個数がどんどん伸びている。初夏から今に至るまで、数千人単位でサンプリングした。この10月には、本社近くで行われる諏訪湖マラソンで、参加者を含めた6,000人弱にサンプリングを実施する。来期も数千から数万個単位でサンプリングを行っていく」とした。

また、「有機みそが拡大基調にある。直近では主力商品を2022年の春と2023年の春、価格改定を2回実施したが、その分の数量のマイナス傾向はあるが、全体では底堅い伸びを示している。海外は現在、米国ではみそ、即席みそ汁、一部液状みその11品目が有機認証マーク付きの商品となっている。これに来期は少なくとも2品を追加する。欧州でもすでに7品のみそと即席みそ汁が有機認証を取っており、来期は最低でも3品を追加する予定だ。国内でも、2024年春に予定している。さらに、一部の流通においては、有機みそにおいてもプライベートブランド」化の動きがある。短期的に値上げという逆風が吹いているが、全体としては底堅い動きをしているのが現状だ」とし好調さを伺わせた。

2022年7月に稼働を開始した熟成庫「未来蔵」が順調で、3000tのみそが収容されている。2023年8月にはみその発酵タンクを追加して600tの貯蔵能力を誇る。「年に3回転と仮定すると、約2000t弱の出荷増が可能になる。いずれにしても、みその熟成能力を重視している背景は付加価値型のみそを増産していく、販売の主力にしていくといった背景がある」とし、今後の方向性を示した。

〈しょっぱくない、料理にコクとうま味をプラスする「塩分ハーフ」〉

次いで、林恭子取締役コーポーレートマーケティング本部長が、新商品「塩分ハーフ」について説明した。同社比で50%減塩した、料理を楽しむみそとして開発したという。

ひかり味噌・林恭子取締役コーポーレートマーケティング本部長
ひかり味噌・林恭子取締役コーポーレートマーケティング本部長

「商品開発の着想は、ひかり味噌アンバサダーの中にあった。ひかり味噌アンバサダーは弊社のみそを使ったレシピの提案などをしてもらうが、その際に、『みそをたくさん使いたいが、しょっぱいからたくさん入れられない。隠し味に使っていた』などといった声が多くあり、みそをたくさん使いたいと思っていただいているなら、そういうみそがあってもいい」と考えて開発されたのが「塩分ハーフ」だ。

コンセプトは「しょっぱくない。だから料理にコクとうま味をプラス。みそで料理をさらにおいしく。みそで料理をもっと楽しく。主役にも脇役にもなれる。和食にも洋食にも合う。レパートリーが膨らむ魔法のみそ」としている。

開発では、「ハーフ&ハーフ製法」を開発し、1次発酵で米の糖化を進め、2次発酵でみそのうま味と香りを出し、素材の味わいが生きたみそに仕上げたとしている。炒め物、蒸し物、和え物に最適で、みそ汁にしてもおいしく、ポタージュのようなみそ汁が出来上がるとしている。

〈大豆油糧日報2023年7月28日付〉

媒体情報

大豆油糧日報

大豆と油脂・大豆加工食品の動向を伝える日刊専門紙

大豆油糧日報

大豆から作られる食用油や、豆腐、納豆、みそ、しょうゆを始めとした日本の伝統食品は、毎日の食卓に欠かせないものです。「大豆油糧日報」では、発刊からおよそ半世紀にわたり、国内外の原料大豆の需給動向、また大豆加工食品の最新情報を伝え続けております。昨今の大豆を巡る情勢は、世界的な人口増大と経済成長、バイオ燃料の需要増大により、大きな変化を続けております。一方で、大豆に関する健康機能の研究も進み、国際的な関心も集めています。そうした情勢変化を読み解く、業界にとっての道標となることを、「大豆油糧日報」は目指しています。

創刊:
昭和33年(1958年)1月
発行:
昭和33年(1958年)1月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
大豆卸、商社、食用油メーカー、大豆加工メーカー(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)、関係団体、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格29,700円(税込)6ヵ月=本体価格59,044円(税込)1年=本体価格115,592円(税込)