エヌ・ディ・シーの新しい大豆食品「ギャンモ」ファーストクラスラウンジで採用決定、豆腐をベースに噛み応えのある大豆ミートを合わせた新感覚食品
大豆食品の開発・製造会社エヌ・ディ・シー(岐阜県各務原市)の大豆食品「GAMMO(ギャンモ)」の魅力が外食メーカーに認められ始めている。日本ソイフードマイスター協会がプロデュースで製品化したもの。9月から某航空会社のファーストクラスラウンジでの採用が決まるなど、グローバルな食品として羽ばたこうとしている。
「ギャンモ」とはがんもどきから着想を得て、豆腐をベースにミンチタイプの大豆ミートを組み合わせた新感覚食品で、団子状とハンバーガー用の「パテ」の2種類をラインアップしている。今回採用されたのは団子の形状で、「ギャンモボール」という商品名でデビューする。
市川吉徳社長は、「ギャンモボールは代替肉ではない。大豆のおいしさを素直に感じて欲しいという思いで開発した。弊社の大豆ミートは噛み応えがしっかりとしている。つなぎで大豆ミートを固めるのではなく、豆腐に大豆ミートを混ぜるというイメージで作り上げている。日本ソイフードマイスター協会の池上沙織代表理事と会い、池上さんのギャンモ構想を受けて、開発がスタートしたのが約1年前。2023年3月に出展したFOODEX JAPANでは、ものすごい反響を得た」と手応えを感じたという。
「大豆ミートを使っているが、味を肉に近づけることには関心がなかった。だから全く肉の味はしない。国産の丸大豆を使って、大豆のおいしさをいかに感じてもらえるかということに特化して開発した。食べた人が納得できる食品を目指した。ギャンモを開発した初期の目標では100店舗への導入を掲げた。今回、航空会社に採用してもらい、20~30店舗のチェーン店にも採用予定で、納品個数は月1万個でスタートする。たくさんの引き合いをいただいており、まだ商談に伺えていないところもある。今後は一つひとつ丁寧に対応して、受注を拡大していきたい。京都の料亭や寿司屋など、ハイエンドの店舗からの引き合いもある。まずは導入100店舗という目標があり、着実に伸ばしていけるよう、慎重な運営を積み重ねて、キャパシティは少しゆとりを持たしつつやっていきたい」とし、好調な滑り出しを獲得しただけに、慎重な運営を心掛け大事に育てていきたいという市川社長の思いが伝わってくる。
〈製造特許を取らず、世界中にギャンモを広げてもらいムーブメントを起こしたい〉
ギャンモの特徴は、噛み応えで、この噛み応えはエヌ・ディ・シーの長い研究の成果がぎっしりと詰まっている。化学調味料は使用せず、国産大豆のおいしさを感じてもらえるようなレシピとなっている。
「大豆の風味もありつつ、そのまま食べてもおいしい。洋食のトマトソースやデミグラスソースをかけてもいい、また和風でポン酢などとも相性がいい。和洋中と柔軟に対応できるところもギャンモボールの特徴の一つとなっている」とメニューの幅広さも特徴だ。
ギャンモの製造特許は取っていないという。何故か。それは、「特許を取るには1年から2年ほどかかってしまう。特許を取るよりも、ギャンモを早く世の中に登場させたかった。また、特許を取ってしまうと囲い込みになってしまうので、認知が広がっていきにくい」と説明する。
「夢は日本中、世界中にギャンモを広げていきたいので、いっそ公開することで、ムーブメントを起こしたいと思った。海外へギャンモを輸出する話もすでにあり、日本食レストランからの引き合いがきている。世界中で日本食の認知度も上がってきており、今後も海外における日本食レストランの出店ラッシュが期待できる」と、グローバルな展開も視野に入れる。
〈大豆油糧日報2023年8月28日付〉