染野屋「子連れ勤務可能制度」を正式導入、働きやすい職場を目指す
豆腐の製造・移動販売などを手がける染野屋は10月1日から、働き方改革の一環として、保護者の管理のもと従業員の子どもを連れながら仕事ができる「子連れ勤務可能制度」を正式導入した。
同社では、コロナ前から社内通称「子連れオオカミ制度」として、同様の制度を社内に発表していた。その後迎えたコロナ禍の休校措置によりその需要は高まり、一時期には本店にて毎日4~5人のスタッフの子どもが会社で過ごし、スタッフからは「学校が休校になって困っていたので、非常にこの制度は助かる」と好評を得ていた。
現在でも、保育園の迎えのタイミングで1時間だけ子どもを乗せて営業している販売員や、終礼時には必ず同席しているスタッフの子どもがいるという。
総務省統計局が2023年7月に発表した「令和4年就業構造基本調査」によると、未就学児の育児をしている女性のうち、仕事と両立している人の割合は73.4%で、2017年の前回調査から約9ポイント上昇し過去最高となったという。同省では、時短勤務など両立に向けた制度の活用の広がりが背景にあると見ている。また2022年10月1日時点の同調査によると、就業者数の総数は6,706万人、うち女性は3,035万人で過去最多となった。仕事をしている女性の割合も53.2%と、過去最高を更新しており、染野屋も女性の社会進出に伴い、働き方改革や少子化対策の一環として、連動して支援に取り組む方針を掲げている。
小野篤人社長は、「豆腐屋の移動販売車に子どもが一緒に乗っている光景は、結構なじむ。お客様からも喜んで受け入れて頂けるので、迷惑にもならないと思う。実際子どもが職場にいる事によって起こったトラブルはない。むしろ親の仕事への姿勢を見て、協力をしたり邪魔しないように工夫している子を多く見かけ、子どもも社会を学ぶいい機会になっているのではないかと感じている。今後も求職者が求める働きやすい職場を目指して、新たな働き方改革制度を導入して行きたいと思う」とコメントしている。
〈大豆油糧日報2023年10月17日付〉