日本エイサー、植物性肉「NO MEATING」2024年春から販売、特許製法でリアルな食感を実現
日本エイサーは11月9日、都内で会見し、1967年に日本の高崎ハムとの技術提携で誕生した台湾ハムと、その子会社NO MEATINGが日本へ参入することを明らかにした。
台湾ハムのソーセージなどや、NO MEATINGと台湾食品工業発展研究所が共同開発した植物性肉「NO MEATING」を、日本エイサーが総代理店となって2024年春から日本で販売する。
「NO MEATING」の原料は大豆、小麦、えんどう豆を使用し、特許製法「筋線維化プロテインファイバー技術」でリアルな肉の食感を実現しているという。植物性肉を使った、とんかつや餃子、ルーローファン、ハンバーグ、ジャーキー、台湾ふりかけ、タラの蒸し物、ハラミ焼肉などを模した食品をラインアップする。
業務用、小売用での販売を計画しており、小売向けの先行販売キャンペーンでは、2024年1月からヴィーガン料理に特化したレシピ投稿サービスを展開するブイクックからのウェブ販売の準備を進めているという。
「まずは植物性食品を必要としている人に食べていただいて、春からの全国販売に備えたい」(日本エイサー)。初めは関東甲信越から販売をスタートする。また、価格に関しては、「オープンプライスなので想定売価は提示していないが、現在、日本で流通しているプラントベースフードの価格よりも1~2割高くなると考えている」とし、「味、おいしさで勝負する」と宣言した。
「NO MEATING」は栄養とおいしさにこだわったプラントベースフードだ。特許製法「筋線維化プロテインファイバー技術」で、肉や魚の筋線維・身の形状を再現する。心理測定など感性の研究も行い、味・食感・見た目・おいしさを追求したとする。同技術は、筋肉繊維を再現した素材や魚の肉などを再現する四角い素材、挽肉の原料になるような素材を作り、これらプランベースフードの素材を組み合わせることで、フィッシュフライなどを作り上げていく。
「フィッシュフライはまず筋線維を製造し、それを元に白身魚のホロホロとほぐれる食感が感じられる植物肉を3D造形した」(日本エイサー)。特許技術は台湾とイタリアで取得済み、日本と米国で申請中だ。
〈シンプルにおいしいと感じられる新たな食肉の選択肢を日本に届けたい〉
NO MEATING緒裕バイオテックのフランシス・チャン会長は植物肉ビジネスへ着手した理由について、「食肉の伝統的な生産方法が環境に与える影響も理解しており、持続可能な食生活を実現するために、今こそ変化が求められる。私たちの目的は、市場のニーズに応えるだけでなく、サステナブルな食を実現し次世代の食肉業界の最大手となること。サステナブルフード『NO MEATING』は100%植物性素材を使い、植物の栄養価値においしさをかけ合わせた、持続可能な新たな肉のジャンル。『NO MEATING』は皆さんにベジタリアンやヴィーガンになることを薦めるのではなく、シンプルにおいしいと感じられる新たな食肉の選択肢を日本にお届けしたい」と日本参入への思いを語った。
質疑応答では、外食向けへの対応を聞かれ、「業務用ではたくさん種類を用意しており、台湾では餃子や焼肉のチェーン店に採用されている。こうした大規模な案件にはカスタマイズしてOEMのような形での対応を行っている。日本でも同様の対応をさせていただく」とした。
ハラール認証やヴィーガン認証に関しては、「現在、ハラール認証を取得しているのは、台湾ふりかけシリーズのみ。これからマレーシアをはじめとしたハラール認証の必要な国への輸出も考えており、海外での取得も必要となれば、順次対応していく。ヴィーガン認証は今後検討していく」と答えた。
〈大豆油糧日報2023年11月13日付〉