染野屋、移動販売スタッフの最低固定給与一律4万円増加、期中ベースアップ31%に
染野屋は、3月1日付で移動販売スタッフの最低固定給与をさらに一律4万円増加することを決定した。
勤務営業所によって違いはあるが、経験・未経験問わず27万円~30万円に加え歩合給が正式入社時のスタート給与となる(試用期間2カ月)。
同社では、決められたエリアに平日週1回、豆腐のほかに野菜や魚、大豆ミート製品、菓子類などを一般消費者のもとへ届けることで販売している。2023年10月の販売スタッフの固定給増加(平均2万4,543円)に続き、更に上乗せする形で今回のベースアップを実施する。同時に、歩合制を敷いている特徴から導入していなかった定期昇給制もスタートし、従業員満足度を向上する環境づくりを加速させる。
今回の決定で、今年度中に増加させた販売スタッフの固定給は平均6万4,543円となる。2023年4月から2024年3月までの期中ベースアップは平均31%だ。グループ会社の山下ミツ商店(石川県白山市)の移動販売スタッフについてもすでに平均14%のベースアップを実施しており、状況を見ながら追随していく方針だ。
賃金上昇の経緯について、2024年中に賃金の改定を実施した、または予定していて額も決定している企業を見ると「1人平均賃金の改定額」は9,437円(前年5,534円)、「1人平均賃金の改定率」は3.2%(同1.9%)となっていることを挙げる(厚生労働省調べ)。
小野篤人社長は、「当社は移動販売車による直販を行っているだけに、販路拡大には営業販売のドライバーの獲得と定着がキーポイント。昨今の物価上昇やドライバー不足の背景を考慮して、スタッフがより満足して勤務できるために今回の実施となった。当社では2021年より染野屋グループ入りをする豆腐製造会社が毎年増え、同時に社内の教育要員の熟練度も向上した事から、今後全国へ販路を拡大させる。全国展開のためにも今後の物価上昇によっては更なるベースアップを行なっていくつもりだ」とコメントしている。
〈大豆油糧日報2024年2月27日付〉