マルコメ、世界初のあおさ陸上養殖を開始、7年かけ種苗作成から収穫まで流れ確立
マルコメは、世界初となるあおさの陸上養殖試験設備を愛媛県西予市に開設する。10日に都内で開催した「マルコメグループ2024秋冬ご提案会」で、青木時男社長が明らかにした。
同社は、2017年からあおさの自社生産を模索していたところ、世界で初めてあおさの陸上養殖技術を開発した徳島文理大学の山本博文教授と知り合い、技術指導を仰いできた。19年から、気候変動などに左右されない生産体制の確立に向け、試験養殖を開始。24年に事業ベースの5分の1の規模で試験を実施し、種苗作成から収穫まで一連の流れを確立した。製品は24年9月から出荷する予定となっている。
これに対し、青木社長は、「あおさの陸上養殖を事業ベースにもっていくためには時間がかかった。試行錯誤が長かった。温暖化による海水温の上昇などで、海藻類全般の収穫量が減少している。あおさの供給不安を解消するために、海洋資源の持続的な活用を目指して、陸上養殖技術による藻場の創出に着目してから、7年近くかけてようやく出荷できる体制を整えることができた」と極秘プロジェクトであったことも改めて明かした。
〈大豆油糧日報2024年7月11日付〉