サンギ「つきじおから茶」廃棄されがちなおからを活用、焙煎技術に難しさ
2024年9月で創業50周年を迎えるサンギ(東京都中央区)は、美白歯磨き粉などオーラルケア製品を開発・販売するほかにも、「つきじおから茶」を販売している。
「つきじおから茶」開発経緯は、オーラル分野を研究する中で、大豆たん白に歯の再石灰化を促す効果があることを発見したことがきっかけだ。研究の過程でおからが廃棄されていることを知り、再活用するために同商品が開発されたという。
おからをお茶にしたのは、フライパンでおからを炒ってお茶を作っている街の豆腐店があり、おから茶を大量生産する方法を考えたのが始まりだ。
ただ、単に炒っただけでは、大豆に多く含まれる油分が抜けないという。さらに、焙煎する際、乾燥おからの繊毛に火が着くこともあり、火加減など焙煎技術の難しさがあったという。最初にペットボトル500mlを1998年に発売し、今年で26年目となる。豆腐店で販売することが多く、50~70代が主な購入層だという。発売当初の商品名は「おから茶」だったが、同社が築地に会社を構えており、築地に食文化のイメージがあることから、「つきじおから茶」に改めた。
その後、購入層を広げるために、女性向けパッケージデザインの350mlと、ティーバッグ2.0g×15包入りを発売した。
この2品には昨年から、パッケージに日本豆腐マイスター協会の推奨マークが掲載されている。売上の一部は、子どもたちが大豆を育て、収穫して食べることを通して食の大切さなどを学ぶ「大豆100粒運動」に寄付している。
〈ノンカフェインでマタニティーフードとしても引き合い、スーパー中心に配荷目指す〉
「つきじおから茶」の特徴は、ノンカロリーでノンカフェインであること。ノンカフェインのため、小さい子どもや高齢者だけでなく、マタニティーフードとしても引き合いがある。
さらに、大豆イソフラボンを含み、焙煎した大豆胚芽を20%ブレンドすることで、豆腐や納豆と同様に天然の大豆イソフラボンが含有されている。
香ばしくすっきりとした味わいとなっており、ティーバッグは特に香ばしさを感じられる。おからが2gと多めに入っており、大きめのマグカップや水筒用として使用できる。業務用では、100包入りを提案している。
ペットボトルは黒部の名水を使用した。500mlは50~70代に、350mlは30~40代の女性に向けて訴求していく。
「乾燥おからを使用しているのも訴求ポイント」(同社)だという。おからは産業廃棄物として廃棄されがちで、活用方法も飼料などが多いためだ。
現在、取り扱いが最も多いのは、和食レストランの「湯葉と豆腐の店 梅の花」だ。メニューに採用されているほか、レジ横や百貨店の物販店で500mlが販売されている。また、街の豆腐店での取り扱いが多いとする。
今後はさらに、食にこだわりのあるスーパーを中心に配荷を目指す。昨年から展示会に積極的に出展しており、過去にスポーツジムや産婦人科、道の駅などで採用が決まったという。またSNSを通じて、情報を発信していく。
〈大豆油糧日報2024年7月25日付〉