ひかり味噌、有機みその新ブランド「THE ORGANIC」発表、来期計画で売上225億円見込む

ひかり味噌・林善博社長(右)と、林恭子取締役コーポレートマーケティング本部長(左)
ひかり味噌・林善博社長(右)と、林恭子取締役コーポレートマーケティング本部長(左)

ひかり味噌は7月30日、24年秋冬新商品発表会を都内で開き、有機みその新ブランド「THE ORGANIC 有機大豆」、「同 有機米麹」やオリジナルエコマーク「ひかるエコ」など、環境配慮型の商品や環境活動における指標を紹介した。

冒頭あいさつした林善博社長は、今期(9月期)の業績動向や来期戦略について言及し、「今期売上高は12%増を見込んでおり、着地見込みは214億円だ。みその出荷数量は7%増の4万8,000tを見込んでいる。平均単価が上昇したことで、売上の伸び率の方が出荷数量の伸び率を上回った。これは、価格改定を実施したことが影響している。PB、OEM各社にも値上げを受けていただいた。ただ、数量の増加は、先月、今月と猛暑が続いているが、10%増で推移している。今夏で発売から2年目となる『CRAFT MISO 生糀』は、30年以上のみそ人生、あるいは業界の中でも、稀に見るほど採用店舗が拡大し、採用された店舗でも週販数が上昇している。また『円熟こうじ味噌』は30年来のロングセラー商品で今年2月の価格改定を経ても、順調な数量の増加を記録している」と好調な商品について述べた。

今後の経営課題については、「強靭なサプライチェーンを構築する。紛争や気候で予想もしない大変動などいろいろな意味で不確定要素が増してきた。当社としては海外事業を活性化する中でサプライチェーンの拡大イコール国際調達の拡大と捉えている。またESG経営を強化していく。これが海外から評価される側面であることは間違いない。とりわけ、環境のEを重視する。持続的成長を意識している。それには、組織整備や人事制度、商品グループの取捨選択が必要だと考えている。グローバル企業になりきるための経営革新が必要だ。単に輸出向けのみそを増やすだけでなく、仕入れも輸出も、人材も国内外の垣根を崩して、まさにグローバル企業になるために、有限な資源を戦略的に配分していく」と方向性を示した。

質疑応答では、値上げで販売数量を落とすメーカーが多い中で、増加している要因については、「NBを手掛けながら、PBも受けている。ほぼすべての商品で値上げがされる中でPBは価格的に優位に立ち、それが当社の出荷数量を増加させている。加えて、数百t単位でみそを加工の原料に使うメーカーから受注をしたことなども影響している。来期の売上高見込みは225億円ほどを考えている。数量は1,500t前後の増加を見込んでいる」と説明した。

「CRAFT MISO 生糀」の売行きや、来期予算の根拠については、「工場出荷数量は現状、月間の平均は約20万個から30万個の間で推移している。来期の予算は策定中だが、50%増を狙っている。これは、直近の採用店舗のスピード、採用された店舗の週販数が月を追うごとに向上しているので、強気の見方をしている。

『CRAFT MISO 生糀』、『円熟こうじ味噌』が来年のけん引役となるほか、新製品の投入を活発化させる。昨年10月から営業の組織整備を実施しており、1つのマーケットに1つの営業組織ということで、強力なリーダーシップを持った人間を本部長に据えて、さらに、増員体制を図っていることから、来期も伸ばせる」と見通しを示した。

〈生みその賞味期限を12カ月に延長、オリジナルエコマーク「ひかるエコ」順次表示〉

次いで、林恭子取締役コーポレートマーケティング本部長は、同社のSDGsへの主な取り組みについて説明した。「生みその一部商品の賞味期限を現状の6カ月から12カ月に延長する。

ひかり味噌オリジナルエコマーク『ひかるエコ』
ひかり味噌オリジナルエコマーク『ひかるエコ』

また、オリジナルエコマーク『ひかるエコ』を環境配慮型商品に順次表示していく。消費者調査では、年々、環境に配慮した商品への関心が高まる中で、現状はどの商品が環境に配慮された商品なのか分からない。そこで、店頭でお客様に分かりやすく認知してもらうためにこの取り組みを導入した」と説明した。

〈大豆油糧日報2024年8月1日付〉

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