昭和産業、新ブランド「SOIASOIYA」立ち上げ、帯状シートの大豆たん白で幅広いメニューに

昭和産業「SOIASOIYA(ソイアソイヤ)」大豆たん白を帯状のシートに成形した「HMSP」
昭和産業「SOIASOIYA(ソイアソイヤ)」大豆たん白を帯状のシートに成形した「HMSP」

昭和産業は業務用の植物性素材の新ブランドとして「SOIASOIYA(ソイアソイヤ)」を立ち上げ、9月から第1弾商品として、大豆たん白商品「HMSP(High Moisture Solution Protein)」シリーズ4品を発売する。

「SOIASOIYA」は「『思いのまま』ができる食材」をブランドコンセプトに、誰でも、気軽に、楽しく、プラントベースフード(PBF)を取り入れられる商品であってほしいという思いを込めて開発したという。

「HMSP」は大豆たん白を帯状のシートに成形したもので、ダイスやブロック、スティック、麺状まで自在にカットして使え、幅広いメニューに活用できる。冷凍で販売するので水戻しも不要となる。山口龍也取締役常務執行役員は、「今後は同ブランドから、さまざまな形状、温度帯で商品を出していき、海外も視野に入れていく」と展望を語った。

左から、山口龍也取締役、山田真也氏、鈴なり・村田明彦氏、大野正史取締役
左から、山口龍也取締役、山田真也氏、鈴なり・村田明彦氏、大野正史取締役

同社は7日、都内で24年秋冬新商品と植物性新食材の発表会を開催した。山口常務は、「昨年4月からスタートした『中期経営計画23-25』では、5つの基本戦略を掲げて推進している。基本戦略1の基盤事業強化の取り組みの1つ、差別化戦略による付加価値商品の拡販において、製油カテゴリでは大豆たん白事業の拡大に取り組んでいる。当社は50年以上の大豆たん白に関する製品開発と販売を進めてきた歴史がある。当社だからこそ実現できた新ブランドだ」とあいさつした。

続いて大野正史取締役常務執行役員テクニカル部門統括は、「当社は素材として50年以上、粒状大豆たん白の製品開発と販売を進めてきたが、22年度にそのノウハウと製造技術を進化させた新規の植物性素材の立ち上げに向け、社内プロジェクトを立ち上げた。本日、新ブランドについてリリースする運びとなった」と述べた。

〈最大の特徴は自由自在な活用用途、和・洋・中、炒め・煮込み・フライ調理に〉

「SOIASOIYA」については、技術センタープラントベースプロジェクトリーダーの山田真也氏(写真上中央左)が説明した。名前の由来は、大豆を意味する「ソーヤ」と、長年のかねてからの願いを意味する「素意」をかけあわせたものだという。「肉の代替にとどまらず、料理をする人の想像力をかき立て、新しい食体験を価値提供できる食材を開発、普及を目指していきたい。今後は、料理専門家や外食オーナーとのタイアップするプロジェクトを展開していく」と述べた。

「HMSP」は、粒状大豆たん白の技術を進化させ、帯状のシート素材を開発した。粒状大豆たん白は水戻しが必要だが、冷凍で水戻しは不要で解凍させれば使える。栄養面では、アミノ酸スコアは大豆と同じ最高値の100を示し、アジや豚肉などの動物性食材と同じくバランスの取れた食材だとした。「カットや成形の仕方を変えながら、自由に使える。最大の特徴は自由自在な活用用途だ。和・洋・中から、炒め、煮込み、フライと、さまざまな調理に使える。形や味付け、アイデアで幅広い用途に使うことができる」と強調した。

先行販売しているヴィーガン料理専門店「FALAFEL BROTHERS HARAJUKU」の4月に東急プラザ原宿「ハラカド」にオープンした4店舗目で、「クリスピーチキフィンガーズ」に採用されている。

今回、新ブランド「SOIASOIYA」発売を記念し、飲食店コラボレーションプロジェクトを始動する。同ブランドの特徴や魅力、料理での活用を広く認知されることを目指したもの。第1弾は和食料理とのコラボレーションを実施する。7年連続でミシュランの星を獲得した「鈴なり」(新宿区)主人の村田明彦氏(写真上中央右)が創作和食料理を提供する。「豆の帯」としてコース料理内で提供する予定だ。「鈴なり」は「ソイアソイヤ」の和食分野のアドバイザーとしても協力している。

〈大豆油糧日報2024年8月8日付〉

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