USSEC、食品大豆の7割が米国産の周知に注力、SSAP認証マーク付与は着実に増加、業界団体との連携イベントや大豆アニメ展開も

大豆アニメ「SOY STORY(ソイ・ストーリー)」6話にゲスト出演した「ねば~る君」
大豆アニメ「SOY STORY(ソイ・ストーリー)」6話にゲスト出演した「ねば~る君」

アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は、日本で使われる食品大豆の7割が米国産であることを周知させる取り組みに引き続き注力する。

展示会への出展や全国納豆協同組合連合会(納豆連)といった業界団体との連携イベントも積極的に実施している。大豆アニメ「SOY STORY(ソイ・ストーリー)」の最新6話には、納豆のマスコットキャラクターとして人気のねば~る君がゲスト出演した。

米国大豆がサステナブルな方法で生産されたことを証明するSSAP(米国大豆サステナビリティ認証プロトコル)認証のマークを商品に付けている企業は、アサヒコや大手CVSのセブン&アイ・ホールディングス(HD)をはじめ着実に増えており、9月から新たに、太子食品工業が油揚げに付けることも決定している。立石雅子日本副代表に直近の取り組みと今後の展望について話を聞いた。

USSEC・立石雅子日本副代表
USSEC・立石雅子日本副代表

USSECの今年の取り組みを振り返ると、3月に開催された「FOODEX JAPAN」の米国パビリオンで米国大使館が行った米国産食材を使うクッキングデモンストレーションに納豆連とともに参加し、外国人にも受ける納豆レシピをテーマに披露した。「第27回全国納豆鑑評会」で「米国大豆サステナビリティアンバサダー賞」を受賞した小杉食品の「おちびさんつゆだく」を使った。「米国大豆が6割使われている納豆は輸出が増えている。さらに海外輸出を伸ばしていくキックオフ的なイベントの位置付けで実施した」と狙いを語る。「ソイ・ストーリー」の主人公ソイとねば~る君も登場し、米国大使館やワシントンからの来賓と交流を図った。

3月後半には、ABCクッキング丸の内グラウンドで開催された大豆のサステナブルセミナーと親子クッキングレッスンに協賛した。米国大豆の原料を使用した大豆加工食品を使った料理を食べてもらいながら、サステナビリティについて親子で学んでもらうことを目的としたイベントだ。アサヒコとセブン&アイ・HDが食材を提供し、セブン&アイ・HDセブンプレミアム開発戦略部による講演も行われた。

グローバルなイベントでは、6月にノースダコタ州に拠点を置くNCI(ノーザン・クロップス・インスティテュート)の教育プログラム機会を大豆業界に提供し、豆腐・納豆・食品メーカー、商社など9社を派遣した。

8月には「納豆サミット」を2年ぶりに米国バージニア州で開催し、日本からは納豆連と連携し23名が渡米、同州の主要サプライヤーであるモンタギューファームの大豆産地を訪れた。さらに、サンフランシスコで秋に開催する大豆の世界会議「ソイコネクト」には、豆腐の品種開発に焦点を当てた「TOFUフューチャープロジェクト」の会員メンバーと他大豆加工メーカーともに食品大豆の産地やIPの施設を回る予定だ。SSAPの取り組み状況や、大学を訪れて食品大豆の品種の開発状況も視察する。

「ソイコネクト」では、太子食品工業の工藤裕平副社長が、サステナビリティ認証マークの価値や消費者のトレンドをトピックにパネルディスカッションに英語で参加する。「ソイコネクト」の名称になって以降、日本の大豆業界関係者がパネラーを務めるのは初めてだという。工藤副社長は9月に新発売する「じゅわっとやわらか油あげ」にSSAP認証の表示マークを付けて消費者に提供する理由なども説明する。

同時にSSAP認証の表示マークを付けている世界の企業を対象にした表彰式も行い、日本からは太子食品工業、三好食品工業、SSAP認証を100%取得している兼松グループのオハイオ州の事業会社KAPI(KG AgriProducts,Inc.)が参加する予定だ。

〈大豆の需要喚起とSDGs推進に貢献、「ソイ・ストーリー」にねば~る君がゲスト出演〉

USSECの各国支部はSSAPの普及を核に活動しており、日本では現在、SSAP認証のマークは19社が約400製品に使っている。セブン&アイ・HDは各種の認証マークを紹介する秋の環境月間を2年前から秋口に行っており、今年はSSAP認証にも声がかかっているという。

トピックとして、環境情報開示のフレームワークCDPが大規模に改定され、大豆は主原料として使う大豆加工品以外にも、飼料などで間接的に使っている場合でも開示が必要となり、サステナビリティに取り組むことが必要な状況になった。「日本には米国大豆を7割提供しているので、主要サプライヤーとして産地の取り組みを積極的に発信する責任がある」と述べる。小売店舗での店頭プロモーションなど新しい取り組みの企画も進めており、レシピサイトのアプリでプロモーションを行うことも検討している。

立石副代表は、「最終的にSSAP認証を活用して頂けるか否かは各企業の判断だが、USSECは今後も、積極的に取り組んで頂ける企業や団体との連携を続け、大豆の需要喚起とSDGs推進の課題解決に貢献していきたい」と方針を語る。

「ソイ・ストーリー」は今年中に7~8話も公開する予定だ。「大豆食品のことを大人も子どもも楽しく学べるアニメになっている。6話と7話でフォーカスする食材は、納豆と今が旬の枝豆だ。納豆の新キャラとして、人気のねば~る君がゲスト出演し、枝豆も実は大豆の仲間という、知っているようで知らなかった発見もあり、見どころ満載に仕上がっている」と強調する。

〈大豆油糧日報2024年8月22日付〉

媒体情報

大豆油糧日報

大豆と油脂・大豆加工食品の動向を伝える日刊専門紙

大豆油糧日報

大豆から作られる食用油や、豆腐、納豆、みそ、しょうゆを始めとした日本の伝統食品は、毎日の食卓に欠かせないものです。「大豆油糧日報」では、発刊からおよそ半世紀にわたり、国内外の原料大豆の需給動向、また大豆加工食品の最新情報を伝え続けております。昨今の大豆を巡る情勢は、世界的な人口増大と経済成長、バイオ燃料の需要増大により、大きな変化を続けております。一方で、大豆に関する健康機能の研究も進み、国際的な関心も集めています。そうした情勢変化を読み解く、業界にとっての道標となることを、「大豆油糧日報」は目指しています。

創刊:
昭和33年(1958年)1月
発行:
昭和33年(1958年)1月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
大豆卸、商社、食用油メーカー、大豆加工メーカー(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)、関係団体、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格29,700円(税込)6ヵ月=本体価格59,044円(税込)1年=本体価格115,592円(税込)