不二製油、準チョコ規格でピュアチョコレートクオリティの2品新発売、カカオ原料価格の高騰受け、極力コスト抑えたい需要があり開発

「スイートチョコレートCP25フレーク」を使用した焼き菓子例
「スイートチョコレートCP25フレーク」を使用した焼き菓子例

不二製油はカカオ原料価格の歴史的な高騰を受け、コンパウンドチョコレートの新製品として、「スイートチョコレートCP25フレーク」と「ホワイトチョコレートCP07フレーク」のCPシリーズ2品を開発し、6月から拡販を行っている。

準チョコレート規格ながら、ピュアチョコレートクオリティの素材と強調する。これまでのコンパウンドチョコレートの開発技術を生かし、ココアバターによく似た融解特性をもつ代替脂を使用することで、ピュアチョコレートのなめらかなくちどけを再現した。ピュアチョコよりもコストメリットがあり、安定供給できることも訴求する。

チョコレートの融解曲線グラフ
チョコレートの融解曲線グラフ

同シリーズは、テンパリングタイプの今までにない位置付けの商品としており、「準チョコレートというだけで敬遠されていた専門店のパティシエからも、『おいしい』、『ブラウニーなどの生地練り込み用途だと(ピュアチョコレートと)遜色ない』などと好評で、風味面でも評価されている」(同社)と手ごたえを得ている。

チョコレートに使うカカオ原料価格は高騰しており、今年4月をピークに現在も高止まりしている。チョコレート製品はコストアップが続いている状況だ。「専門店は規格のこだわりが強いが、消費者離れも懸念されており、品質を維持しつつ極力コストを抑えていきたい需要がある」(同社)と開発の背景について説明する。

〈価格以外のメリットも訴求、カテゴリ定着するとラインアップ拡大も視野〉

「スイートチョコレートCP25フレーク」は、テンパリングタイプでピュアチョコレートと同様に使える。ベーシックな風味で配合や用途を選ばず、流動性が高く、コーティング用にも適する。配合のカカオマスには、日本の輸入量が一番多いガーナ産のカカオ豆のみを使っている。焼き菓子や生菓子など幅広い用途で使える。内容量は1kg×6袋。

「ホワイトチョコレートCP07フレーク」も同じくテンパリングタイプで、使いやすさを重視し、コーティングもできる。同製品は植物性油脂を使っているためココアバターのクセが少ないのが特徴だ。イチゴや抹茶などを副素材として使った場合に風味が引き立つといい、価格以外のメリットも訴求する。内容量は1kg×6袋。

同社は長年コンパウンドチョコレートのくちどけや風味の進化に取り組んでいる。世界各国のカカオ豆を調達し、製造方法の研究も行っている。同シリーズ2品は、カカオ原料高騰に対応するため、これまでの技術を生かして開発した。

同社では、「『準チョコレート』に関する一般消費者への独自アンケート調査によると、準チョコレートの認知度は33.2%であった。また、コンビニ、スーパーでチョコレートを使ったデザートを購入したことがある人の中で、原材料名に『準チョコレート』を含むことで購入を控えると回答したのは7.6%であった。さらに、原材料名を2~3回に1回以上確認する人は41.3%であることを加味すると、実質の影響度は5%切ると想定でき、購入意向にはほとんど影響がない」と捉えている。

〈大豆油糧日報2024年9月4日付〉

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