山﨑醸造「男性育休100%宣言」「勤務間インターバル宣言」に賛同
新潟県のみそ・しょうゆメーカー山﨑醸造はこのほど、男性社員の育児休業取得を促進する「男性育休100%宣言」と、退社時間から翌日の勤務開始時間までに一定時間の休息を確保する勤務間インターバルの制度を導入する「勤務間インターバル宣言」に賛同することを、オンライン記者会見で発表した。
両宣言ともワーク・ライフバランス(東京都港区)が提唱するもの。すでに、男性育休100%宣言は185社が、勤務間インターバル宣言は50社が宣言しているという。
会見で山﨑亮太郎社長は、健康経営を進める目的や両宣言に賛同する背景とそれに伴う働き方改革に関する取り組みを説明した。「当社の商品がおいしくて健康に良いことをアピールするには、健康経営の取り組みができてこそ初めて説得力を持つ。社員に生き生きと充実した人生を送ってもらいたいと思っており、疲れが残って人間関係が悪くなり、仕事がつまらなくなり、会社に行きたくないという状況にはならないように真摯に努めていきたい」と力を込めた。
宣言では、「当社は健康経営に取り組む。『勤務間インターバル宣言』、『男性育休100%宣言』をここに宣言する」と述べた。
山﨑社長は、本社で取り組んでいる職場改善について説明した。「本社がある小千谷市から新潟市の営業所まで80km、営業マンが駐在する群馬県伊勢崎市は120kmと離れている。コロナ禍で、県をまたぐ行動に規制がかかったが、DX化と補助金の活用でテレビ会議などのシステムを導入することができた。SDGsの観点から見ると、移動に伴う二酸化炭素の排出を減らすことができ、移動時間を短縮することで効率的な営業をすることが可能となった。社内ではクラウドシステムを導入し、簡単に情報共有することができるようになった。DXを活用し、移動時間、残業時間を1人当たり年間38時間削減することができた。削減した金額は社員への昇給・賞与に還元している。また、社内でも惰性的な仕事や、あいまいになっていたことを見直すことができた。加えて、時間のかかる作業を知り、見直すきっかけとなった」と成果を紹介した。
〈勤務と勤務の間に11時間の休息を確保、DX化で勤務状況の見える化を実現〉
山﨑醸造では、働き方を見直す「カエル会議」を実施し、心理的安全性を向上した。製造部門では、徹底したマニュアル化により、属人化を排除し、技術伝承できる土台作りに取り組んだ。
また、2024年度は7月末時点で男性育休取得率100%、これまでで最長の約2カ月間の取得を認めた。
勤務間インターバルの取り組みでは、勤務と勤務の間に11時間を開けることで、十分な休息時間を確保し、生産性と健康好循環社会の創出に取り組んだ。勤怠管理をDX化し勤務状況の見える化を実現し、オンライン会議の活用などにより移動を効率化した。
売上は10%増、利益は90%増と向上させながら、1人当たりの平均残業時間を約38時間、年で約39%削減することができたという。
〈大豆油糧日報2024年9月12日付〉