【工場ルポ】おとうふ工房いしかわ、女性でも働きやすい環境作り、おからも活用

おとうふ工房いしかわ 本社工場
おとうふ工房いしかわ 本社工場

おとうふ工房いしかわでは、本社(愛知県高浜市)付近に第1~4工場を構えており、ロボットを導入するなど、女性でも働きやすい環境作りに努めている。今回、本紙は第4工場を見学した。カット豆腐や「豆干絲」(トウカンスー)の製造の様子を紹介する。

製造品目について、第1工場ではカット豆腐(絹・木綿)、第2工場では生揚げやがんも、油揚げなど加工品(1階)、充填豆腐、ゆば(2階)、第3工場では総菜(1階)、ドーナツ(2階)を製造している。なお第1・4工場についてはISO22000認証を取得している。

第4工場では、3基のサイロを設置しており銘柄ごとに管理している。使用する大豆は国産のみだ。北海道、東海、北陸が中心で、主に北海道はとよまさり系、東海は愛知フクユタカ、北陸はシュウレイ、里のほほえみなどを使用している。1日に80俵ほど使用するという。浸漬槽には、分かりやすいよう産地を書いたタグで掲示するようにしている。

浸漬が完了した大豆は、エアーで次の工程へ運ぶ。運ばれた先で、大豆をすり潰し、加熱後、豆乳とおからに分離する。おからは配管を通って乾燥おから室へ運ばれ、全量を乾燥おからにする。

乾燥おからは食用と非食用に分けられる。このうち食用は、包装室にそのまま運ばれ、包装処理した後に出荷する。食用のみ、ふるい機にかけ目の粗いものを取り除く。大豆の皮は飼料として活用する。食用の乾燥おからは1日に約500kg生産する。

〈ロボットが型箱を抱え、コンテナ詰込も実施、重いものを持たなくとも働きやすい〉

同社の絹ごし豆腐は、豆乳を型箱に流し入れ、そのまま寄せる。寄せた豆腐はロボットがカットし、水の中でパック詰めする。豆腐の欠けが発生する可能性があり調整の難しさはあるものの、「昔ながらのやり方より人手がかからない」(石川諒取締役)という。包装後に、加熱殺菌することで、日持ちが向上する。木綿豆腐は、回転連続式の凝固機に豆乳とにがりを入れてかき混ぜ、一周する頃には凝固する。凝固した豆腐を崩し、プレスして水を抜く。

同社の工場では、重いものを持たなくとも働きやすい環境が整っている。例えば、1つあたり15kgの型箱2つを重ねて置いても、1つをロボットが抱えることで、スライドさせて型箱を移動させることができる(ロボットが型箱を持ち上げる様子)。またスポットクーラーを設置し、夏場でも作業しやすくしている。第4工場では「豆干絲」も製造している。「豆干絲」とは、中華料理の定番食材で、豆腐の水分を抜いて作った豆腐シートを麺状に加工したものだ。

型箱を持ち上げる際にロボットを活用
型箱を持ち上げる際にロボットを活用

まず豆腐の生地を作り、2枚の型布の間に生地を流し込む。深さのある型箱に、布を折り重ねて入れ、そのままプレスする。その後、剥離機で布を剥がすと、1~2ミリの豆腐シートができあがる。冷蔵室で豆腐シートをスライサーでカットし、商品パッケージに詰めたあと、真空機にかけて出荷している。

「豆干絲」製造の様子
「豆干絲」製造の様子

商品は冷蔵室に集約し、全国へ配送する。関東から関西まで配送センターを構えている。コンテナの詰め込みもロボットが行っている。

〈大豆油糧日報2024年10月24日付〉

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昭和33年(1958年)1月
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