マスキチ金田社長の祝賀会を開催、安定供給と油の価値を高める取り組み/全国油脂販売業者連合会

マスキチ 金田社長
マスキチ 金田社長

マスキチの金田雅律社長の旭日小綬章祝賀会が11月21日、都内ホテルで開催された。発起人は全国油脂販売業者連合会(全油販連)の館野洋一郎会長(タテノコーポレーション社長)と副会長4人、東京西ロータリークラブの会長と副会長2人の計8人で、製油業界の関係者をはじめ、120人以上が出席した。

金田社長は、「長年、油脂業界のために、油問屋として安定供給と、油の価値を高めることに取り組んできた。高めるというのは、そのお店に合ったいい商品を届けるということを説明しながら理解してもらうことだと考え、努めてきた。価格だけがお客様のためになるっていうことではないと考えている。お届けしたお店がいい油でおいしい料理を出せば繁盛し、ストレス解消には食べることなので、そういった意味でお客さんも幸せになる。お店も繁盛して幸せになる。たくさん売れるとわれわれ問屋も幸せになり、作っていただいているメーカーも幸せになれるということで、皆がハッピーになれると思い、ハッピーサークルということを言って、長年取り組んできた。今後とも油脂業界、東京西ロータリークラブで奉仕活動にも頑張っていきたい」とあいさつを述べた。

〈全油販連会長として強いリーダーシップ、4つの問屋の使命を220年継続〉

全油販連の館野会長は発起人として、綬章に至った経緯や金田社長の功績を紹介した。「マスキチは文化元年、1804年に創業し、今年で220年と大変長い間、発展を遂げてこられた。元々は、油問屋、両替商として創業され、金田社長で6代目となる。社長に就任されてからは、食用油脂、工業油から食料品全般、洗剤、肥料、飼料など事業の幅を広げ、創業の精神である信用信頼第一に、事業の発展に努めてこられた。全油販連の会長職もこれまで2期4年務め、特に東日本大震災が起きた時には、油脂の売り惜しみがないように、業界としてきちんとした対応を取り、被災された東北のメーカーにお見舞金を出す取り組みを、強いリーダーシップでまとめてくれた。そのようなことが今回この旭日小綬章に繋がったと存じている。油脂業界の発展に多大な貢献をされた」と称えた。

祝辞は、日本植物油協会の会長会社を務めているJ-オイルミルズの上垣内猛取締役専務執行役員COOが述べた。「日本の長寿企業を紹介するサイトを拝見したが、なぜ200年以上の歴史が続いているかについて、金田社長ご自身の語りの中でその真髄を垣間見る素晴らしい内容だった。私が強く感じた金田社長の言葉からにじみ出る印象は、決しておごらない謙虚さだ。『メーカーが丹精を込めて作った商品を、自分に売っていただき、品質競争の中で価値を付けて末端のユーザーに買っていただく、その信用信頼の積み重ねが一番の財産であり、強みだ』と語られている。在庫、配送、売掛など金融の役割、そして感度の高い情報管理、この4つの問屋としての使命を、流通のクッション役として継続された220年の歴史には本当に頭が下がる。マスキチは家族的な温かい関係のある社風が宝だと言われており、値段ではない品質商売、信用第一、お客様第一、そういった一貫した経営指針で、利益が出れば皆で分配、困ったことがあれば周りがカバーする助け合いのグループだ。社員への深い愛情に満ちた企業文化が代々築かれ、取引先や生活者への信用に繋がっていると確信している。金田社長は、自分はマスキチのバトンを持つリレーのランナーで、このバトンを傷つけず、落とさず、次の何ランナーに渡すことが自分の使命と言っている。ご子息の太郎取締役は今年結婚され、次のスタートラインで既に準備運動をされている。そして、金田社長が吉兵衛を襲名される日もそう遠くない未来かと思う。今後もわれわれ油脂メーカーの重要な販売店として、6代目、7代目には引き続きご尽力をいただきたい」と話した。

乾杯の発声は、竹本油脂の竹本信二郎取締役専務執行役員が行い、「220年も続いている一次店として大変な地位がある中、ラストワンマイルの仕事は大変だが、業務店、個店への丁寧な配送の仕事も未だにきちんと行ってもらっており、大変評判がいい」と述べた。

中締めでは、全油販連の島田豪副会長(島商社長)が音頭を取り、油締めが行われた。

〈大豆油糧日報2024年11月25日付〉

媒体情報

大豆油糧日報

大豆と油脂・大豆加工食品の動向を伝える日刊専門紙

大豆油糧日報

大豆から作られる食用油や、豆腐、納豆、みそ、しょうゆを始めとした日本の伝統食品は、毎日の食卓に欠かせないものです。「大豆油糧日報」では、発刊からおよそ半世紀にわたり、国内外の原料大豆の需給動向、また大豆加工食品の最新情報を伝え続けております。昨今の大豆を巡る情勢は、世界的な人口増大と経済成長、バイオ燃料の需要増大により、大きな変化を続けております。一方で、大豆に関する健康機能の研究も進み、国際的な関心も集めています。そうした情勢変化を読み解く、業界にとっての道標となることを、「大豆油糧日報」は目指しています。

創刊:
昭和33年(1958年)1月
発行:
昭和33年(1958年)1月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
大豆卸、商社、食用油メーカー、大豆加工メーカー(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)、関係団体、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格29,700円(税込)6ヵ月=本体価格59,044円(税込)1年=本体価格115,592円(税込)