肉よりも安くておいしい、無添加の代替肉を卸販売へ/ネクストミーツ
ネクストミーツは12月11日都内で会見を開き、価格を牛肉の半額以下に抑え大豆を原料とした無添加の代替肉「NEXT ビーフ1.0」と「NEXT ステーキ」を披露し、試食会を開いた。「NEXTビーフ1.0」に関しては、12月から卸への販売を開始したことも発表した。
冒頭あいさつした石塚孝一社長は、「代替肉市場は、値段が高い、あまりおいしくないことがネックとなって、世界中で思ったよりも広がっていない。われわれは3年の開発期間を経て、おいしく、安く、無添加で、常温で運ぶことができる代替肉を開発することができた。これまで代替肉が抱えていた課題をすべて解決している」と自信を見せた。「NEXT ステーキ」に関しては、もう少しマーケティング調査を経てからの発売となるとした。
次いで、ファウンダーの佐々木英之取締役は開発面と販売面について、「原料の大豆からこだわることができた。大豆の嫌なにおいがしない代替肉を作ることができた。これまでの『NEXT カルビ』の食べ応えに、『NEXT ハラミ』のジューシーさを引き継ぎ完成させることができた。これまでは焼肉に引っ張られがちな商品だったが、今回はもっと幅広くいろいろな商品にも使っていただける。焼いても、煮込んでもおいしく食べられる。先日、官公庁の食堂で、『NEXT ビーフ1.0』を使った和食を作っていただいて提供したところ好評だった。また、『NEXT ビーフ1.0』を生産する際に規格外ができてしまうが、それを使ってプラントベース100%の和総菜を商品化している。この和総菜は、インバウンド需要が高まっているホテルや観光施設を中心に使ってもらい、『NEXT ビーフ1.0』を食べてもらう機会を増やすことに取り組んでいく。また、ピザやパスタの材料にもできる。価格的な優位性があるので、以前よりも使いやすくなっている。ターゲットはホテル以外でも、産業給食など、これまでコスト面で扱いづらい面があったところにも、今後は提案していきたい。インバウンドで訪日する外国人の中には10%程度ベジタリアンがいると聞いている。そういった人にもおいしく食べていただけるように、使いやすい形、扱いやすい価格を設定した」と強調した。
〈常温だから世界中に安く提供可能、まずはオランダ、インド、タイに向けて輸出〉
「NEXT ビーフ1.0」ついて、石塚社長は「常温のため、世界中に安く売ることができる。国内ではレストランや旅館などが第一のターゲットとなる。植物性の食品なので、インバウンド需要の高いところから販売を仕掛けていく。輸出では、オランダ、インド、タイを考えている。小売りを考えていないので米国は考えていない。まずはBtoBで展開していく。『NEXT ステーキ』に関しては、ハンバーガーショップで、数量限定で1週間販売する予定だ。生産能力がそれほどあるわけではなく、全く新しい商品なので、ヒアリングベースで、消費者の反応を見ていく。『NEXTビーフ1.0』はプロトタイプの段階で、ニセコのパークハイアットホテルの焼肉パーティに使われた経験もあり、『行けるな』と確信したので、発売に踏み切った。価格に関しては、牛肉、豚肉、鶏肉など全ての肉よりも安い値段で、卸販売していける」と説明した。
生産は関連会社ドクターフーズの製造工場マーマフーズ工場で行っている。佐々木取締役は、「これまで外注していた材料を内製化、物流コストも圧縮できたことで、使ってもらいやすい価格とおいしさを実現することができた」と説明した。
〈大豆油糧日報2024年12月16日付〉