横浜磯子工場見学施設「あぶらミュージアム」オープン/日清オイリオグループ
〈体験型展示やデジタルコンテンツ拡充、植物油の魅力やサステナビリティ学べる〉
日清オイリオグループは2月から、横浜磯子事業場内に「日清オイリオ あぶらミュージアム」をオープンした。事業場内の横浜磯子工場の見学者向け展示施設となり、これまでの「日清オイリオ ウェルネスギャラリー」をリニューアルし、体験型の展示やデジタルコンテンツを拡充させた。
横浜磯子事業場長の川邊修執行役員(写真左)は「大きく2つの視点でリニューアルした。1つは、当社の製品や製造工程のみならず、植物油の持つ力や魅力を楽しく学んでもらう。2つ目は、当社グループのサステナビリティへの取り組みをしっかり伝えていく。このようなコンセプトのもと、子供から大人まで、実際に見て、さわって、楽しんで学んでもらえる施設となっている」と説明する。
1月30日、「あぶらミュージアム」のお披露目会を開催した。「ウェルネスギャラリー」は1994年にオープンし、一般見学者から取引先まで、のべ年間1万人が来場していた見学施設だ。同社では生活者と直接コミュニケーションが取れる貴重な場と捉え、コーポレートブランドの発信拠点の場として、サステナビリティへの取り組みを含む企業メッセージ、ものづくりのこだわり、あぶらの魅力を感じてもらえるように、今回リニューアルした。
「来場者には当社への期待、信頼、楽しさ、学び、新たな発見を持って帰ってもらいたい」(広報)。商品展示は家庭用のみだったが、業務用や加工用、ミール、ファインケミカルなどBtoB領域まで拡大した。
〈原料から最終製品の使用までの流れ意識した配置、コロッケを揚げるゲーム展示も〉
「あぶらミュージアム」の名称は、暮らしの中にある油脂をあぶらとひらがなで表現することで、すべての人に伝わるようにという願いを込めているという。リニューアルのポイントの1つは「企業としてのメッセージ」で、ターゲットに合わせてサステナビリティへの取り組みを紹介する。
「日清オイリオを知る」コーナーは主にビジネス向けとなり、「日清オイリオグループビジョン2030」をはじめとした取り組みをタッチパネル型のモニターで紹介する。「あぶらを育てる」コーナーは原料の説明コーナーで、小学校5年生くらいの子供を含む生活者をターゲットに「責任をもつこと」や「やさしくすること」など平易な言葉で紹介している。
工場見学ならではの「ものづくりへのこだわり」を紹介するのもポイントだ。「あぶらを育てる」、「あぶらをつくる」、「あぶらと暮らす」の3つの展示エリアに分け、原料から製造、最終製品の使用までの流れを意識した配置にした。
「あぶらのチカラ・魅力」を感じてもらうため、「あぶらを暮らす」コーナーでは体験型の展示を設置し、あぶらが生活の中に溶け込み、身近な存在であることが感じられようにした。例えばクッキーでは、バターやショートニングを入れ込むことによって、サクサクした軽い口当たりになることを紹介しており、食べ物に含まれるあぶらの役割を知れる。
あぶらを使った調理を疑似的に体験できる展示を設けた。「焼く・炒める」、「かける」に加え、一般家庭では行われない「練り込む」といったあぶらの役割や使い方が学べる工夫をこらした。音を含めてコロッケを揚げる疑似体験ができるゲーム型展示も設置した。
同社の生活科学研究科の調査では、夕食で揚げ物を「全くしない」、あるいは「ほとんどしない」の比率は、1997年の6%から21年には20.3%まで増えている。あぶらを使った調理を疑似的に体験し、あぶらをより身近なものと感じてもらうことを目指す。
このほか、三大栄養素としての油脂の役割を知ってもらうため、「バランスミッション」というゲームも用意した。食事と運動のバランス、栄養のバランス、あぶらのバランスに関する課題を解決するものとなっている。
〈大豆油量日報 2月3日付〉