新年会を開催、油の価値・問屋の価値を挙げることが必要-愛知県油脂卸協組
愛知県油脂卸協同組合はこのほど、名古屋市のホテルで新年会を開催し、組合員、賛助会員など45人が参集した。長谷川徹理事長(名古屋油糧社長)は年頭あいさつを述べ、「オリーブオイルが2年連続の不作により信じられないほど高騰した。汎用斗缶油は原料相場が落ち着いたことで、他のコストが上昇しているにもかかわらず、販売価格は下落し続け、メーカー各社は10月から再度の値上げを行った」などと昨年を振り返った。
その上で、「今年は巳年であり、ヘビが脱皮しながら成長することから、新しい挑戦、成長、変革の年とされている。伝統を大切にしている油脂業界も変えるべきものは変える必要がある。昨年の汎用斗缶油の下落は、未だに油脂は薄利多売という認識が根強いことを痛感した。そこから脱皮・脱却するには、油の価値を、われわれ問屋の価値を上げることが必要だと考える」
「油の価値を上げるには、適正価格で販売することが一番だ。油問屋の価値を上げる一つの方法は、油問屋ならではの価値あるサービスを提供すること。われわれは油の専門家であり、油をリスペクトし、その価値と素晴らしさを知っている。メーカーとの強い結びつきもある。メーカーとベクトルを合わせて協力し、真に価値ある提案を行いたい」と強調した。
館野洋一郎・全油販連会長(タテノコーポレーション社長)は来ひんあいさつで、食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改正されたことに触れ、「これを踏まえた基本計画が3月中に策定される。その関連法として食料供給困難事態対策法が4月から施行される予定で、ニュースなどで取り上げられている。何か不測事態が起きたときには国民生活に不可欠な食料を安定供給できるよう、油脂業界でいえばメーカーや問屋に対応を指示できる法律だ。安定供給体制をつくることはもちろん、油脂が国民生活に欠かせないことにスポットがあたり、われわれの仕事の重要性を理解してもらう機会になる」との見方を示した。
続いて、J‐オイルミルズの岸正和名古屋支社長があいさつし、今年が昭和100年にあたることを紹介し、「昭和を生き抜いた皆さんとともに、これをひとつのチャンスととらえて販売に力を入れたい」とした。また、「昨年10月から価格是正のお願いをしている。サプライチェーン全体を見て実施しているものであり、やり遂げたい」と力を込めた。
日清オイリオグループの正野崎圭一郎東海北陸支店長は乾杯あいさつで、「さまざまな商品の価格改定が進む中、消費者の購買に対する気持ちが沈んでいる。その中で昨年と同じことをやっても同じ数字は出ないということをメンバーと話している。皆さんの知恵を借りて新しい販売方法を考えたい」と話した。また、「伊勢神宮の式年遷宮や、名古屋で来年開催されるアジア競技大会などでこのエリアにも観光客が多く訪れることを祈念したい」と述べ、乾杯の音頭をとった。
〈大豆油量日報 2月4日付〉