J-オイルミルズ 春山次期社長「油脂をベースにポートフォリオを高度化して収益性上げていく」

J-オイルミルズ 次期社長となる春山裕一郎氏(右)と、会長に就任予定の佐藤達也現社長

J-オイルミルズは5日、次期社長となる春山裕一郎常務執行役員CSOと、会長に就任予定の佐藤達也現社長によるオンライン会見を行った。

佐藤社長は社長交代の理由について、「『復活』を成し遂げたタイミングで、『成長』に向け大きく舵を切るのがベストであると考え、盤石な経営基盤とともに経営のバトンを託すことにした」と説明した。春山常務は成長戦略を4つ挙げた中で、「事業ポートフォリオの高度化」に一番こだわりたいとした。「油脂をベースにポートフォリオを高度化し、収益性を上げていくようなビジネスモデルを考えている」と構想を語った。

同社は5日開催の取締役会で、春山常務執行役員が4月1日に社長執行役員CEOに就任し、6月下旬開催の定時株主総会で取締役として選任された後、同日開催の取締役会を経て代表取締役に就任することを決議した。佐藤社長は4月1日以降、会長として外部団体での活動などを通じて、サステナブルな食品業界の実現に貢献していくとしている。

会見で佐藤社長は、「原料価格の高騰に直面する厳しい状況下で社長に就任した。『復活』と『成長』をテーマに、構造改革や経営基盤の強化にスピード感を持って取り組み、昨年度は当期純利益、配当ともに過去最高水準に、今期も2期連続の好業績を狙えるところまで回復を果たすことができた」と振り返った。

一方で、もう一つのテーマである「成長」を達成する必要性を説いた。「低負荷」という同社独自の特徴を持つ「SUSTEC」シリーズや「スマートグリーンパック」シリーズの強化など、将来の「成長」に向けた種まきを行ってきたことを強調した上で、「変革への強い意志と実行力を持つ春山常務のもと、新しいアイデア、新しいやり方で成長戦略を描き、当社グループが一丸となり実行することで、持続的な成長を果たすと確信している」と期待を込めた。

春山常務は、「私の使命は佐藤社長が築き上げてきた盤石な経営基盤をしっかりと受け継ぎ、当社が目指すべき未来である『JOY for Life‐食で未来によろこびを‐』の達成に向けて、中長期的な事業成長を果たし、あらゆるステークホルダーの期待に応えていくことだ」と語った。

成長戦略として、「既存事業の収益性の強化」、「事業ポートフォリオの高度化」、「海外事業戦略の推進」、「次世代技術・事業への投資」の4つを実行していくとした。また、「当社の差別化された強みである『おいしさデザイン』のさらなる深化、高度化を通じて、新しい食文化の構築に貢献できると考えている」とした。

〈食品素材の科学的な理解深め、潜在的なニーズに応えることで市場ポジション上げる〉


春山常務は、「成長戦略で私自身一番こだわりたいところは、『事業ポートフォリオの高度化』だ。われわれは基本的に油脂の会社だが、売上高営業利益率も油脂に関しては3%程度というところもある。油脂をベースにポートフォリオを高度化して収益性を上げていくようなビジネスモデルを考えている。いろいろなアイデアを持っている」と述べた。

1つの例として、「当社は油脂とスターチ、その他食品素材を掛け合わせて、ユーザーの顕在化した課題に応えていくソリューション提案を強みに、それをベースとした強固な関係を築いている。さまざまな食品素材に対する科学的な理解をより深め、こういう素材を組み合わせれば、こういう課題が解決できるといったデータベースのようなものを作り、潜在的なニーズに応えることで市場でのポジションを上げていける可能性がないかと考えている」と説明した。

佐藤社長は春山常務について、「当社に来て経営企画を中心にコーポレート部門で非常に大きなリーダーシップを発揮してくれている。一方で社内には油脂事業、食品事業に通じた優秀なプロフェッショナルが多数いるため、一緒に仕事をすることで、非常に大きな力を発揮すると考えている。全く心配していない」と太鼓判を押した。「中長期的な成長を実現するため、遠慮することなく新しいアイデア、やり方を取り入れて経営戦略を実行して欲しい」と語った。

<大豆油量日報 2月7日付>

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