「コンベジ」リニューアル予定、「ヴィーガンハム」はホテル販路も注力/三育フーズ
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三育フーズの今期(12月期)の大豆たん白事業の販売数量実績は2022年秋の価格改定が響いて、前年割れで着地した。林恵一副社長は「値上げ幅が大き過ぎた。商品によっては半分近く落ちている」と説明する。
商品別では、パウチ容器の「大豆バーグ」シリーズは240円から400円に価格改定した影響で落ち込んだというが、「6割くらいは戻ってきた」と回復傾向にあるもようだ。ウインナーソーセージ風の缶詰「リンケッツ」や「グルテンバーガー」については、「調理するタイプということもあり伸びている」と説明する。「ベジツナ」と「コンベジ」は終売した。欠かせない原料の終売によるもので、原料を変更して4~5月頃のリニューアル発売を予定している。
2024年10月に発売した「三育フーズ」ブランドの「ヴィーガンハム」は好調だという。ヴィーガン対応の新ブランド「ダニエルラボ」の第3弾商品として投入したが、直販以外に広く案内していくことを目指し、「三育フーズ」ブランドとして展開していく。
同社は1970年に学校法人日本三育学院から食品部三育食品を分離し、セブンスデー・アドベンチスト教団食品事業部としてスタートした。今年12月に創業55周年を迎えることに合わせて、「三育フーズ」ブランドのロゴもシンプルなものに刷新した。今後はヴィーガンマークも付けてシリーズ化していく考えだ。
1月から大阪の有名ホテルにディナーコースに使われている。ヴィーガン料理に使える素材は野菜などに限られることもあり、シェフにも絶賛されたという。「ホテル販路にも力を入れていく」。
〈有機JAS認証の大豆たん白「豆なエンドウミート」中粒・小粒で新発売〉
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今期の注力商品として、「三育フード」ブランドの「ヴィーガンハム」と、4~5月にリニューアル発売する「コンベジ」を拡販していく。「コンベジ」については「デザインも仕上がりつつあり、全方位的に拡販していきたい」と力を込める。
「ヴィーガンハム」のように飲食店の販路を増やしつつ、小売も展開していく考えだ。飲食店関係へ向けて、1kgのレトルトパウチも販売していく。五葷(ごくん)は使っておらず、色素なども欧米の規制に抵触しない素材を用いていることもアピールする。
2023年9月に発売した「植物生まれのホワイトソース」については、「大事に育てようと思っているが、リピートされるための売り方に課題はある。徐々に伸びているが、これからの商品だ。ヴィーガンの人はカシューナッツを使い、自分でさまざまなソース作っている。その手間を解消するために開発した。おいしさには自信があるので、使ってもらうための伝え方を考えていく」と話す。

2月からの新商品として、有機JAS認証を取得した乾物のエンドウ豆たん白「豆なエンドウミート」(写真右下はイメージ画)を「三育フーズ」ブランドで発売予定だ。中粒と小粒の2種類を小袋で展開する。「植物生まれのホワイトソース」についても、有機JAS認証の材料に置き換えていく。「有機のリクエストはもらう。安全安心のキーワードになる。自然食業界でもオーガニックのキーワードは強い。新しいジャンルの開拓に挑戦する」と有機のラインアップ拡大に取り組む。
市場の大豆ミート関連商品は、冷凍や冷蔵の商品が多い。「当社の商品は常温で1年持つ。保存にエネルギーが不要で、パッケージもクラフトで環境にやさしい」とアピールする。「ベジタリアンではない人も被災地での食べ物は単調になる。肉を食べている人も脂っこ過ぎないものを食べると良いという話は聞くので、当社の商品の価値はあると思う」と、災害備蓄食としても提案していく。
レトルトの大豆ミートでは「完熟トマトソースの野菜大豆ボール」が一番売れており、「元々人気があったが、デザインを含めてリニューアルする」とテコ入れを図る。
〈大豆油量日報 2月17日付〉