新ブランド「motTOFU」発表、強みのあるPBFで海外進出も/太子食品工業

太子食品工業は2月17日、赤坂ガーデンシティで「新ブランド&事業戦略発表会・試食会」を開き、プラントベースフード(PBF)の新ブランド「motTOFU」(モットーフ)を発表し、工藤裕平副社長が説明した。
海外にも進出し、販売計画数は年間2,000万本。2027年度の売上目標は「モットーフ」で50億円、既存商品で250億円の総額300億円としている。「モットーフ」50億円の内訳は、海外18%、国内82%を計画している。同社CMキャラクターのりんご娘による試食も実施した。
ラインアップは「豆腐スイーツバー カフェモカ」、「豆腐スイーツバー 抹茶あずき」、「なめらか豆腐バー 枝豆ひじき」、「なめらか豆腐バー 五目入り」で、4品ともに税込214円。賞味期限は61日間。3月1日から全国で新発売する。幅広い層に食べてもらうため、定番と、トレンドを捉えた味を選定した。
健康志向や環境志向の高まりから、PBF市場は世界、国内ともに年々拡大している一方で、添加物や栄養面を気にする声もあったという。そこで同社では、安心安全なおいしさや、植物性たん白質を多く摂れることなど同社の強みを生かした「モットーフ」ブランドでPBF市場にアプローチする。
「モットーフ」ブランドには2つの思いを込めた。豆腐を「もっと」食べてほしい、期待してほしい、「『もっと』大豆の可能性は広がる」といった思いと、同社の「モットー」である「おいしさのふるさとは自然です。」を忘れない商品作りをしていることを表した。海外にも進出するため、アルファベット表記にした。
〈アジアや欧州を皮切りに販路拡大、「豆腐の潜在価値を最大限に引き出し世界に届ける」〉
新ブランド4品の特徴は、豆腐でできているため、植物性たん白質を摂れることだ。「豆腐スイーツバー」2品は1本あたり5g、「なめらか豆腐バー」は1本あたり9g含む。
カロリーは4品ともに100kcal以下に抑えた。「シンプルな原料でよりおいしいものを作っていきたい」とし、調味液を使わずにココアパウダーやコーヒーなどで味作りを行った。「豆腐スイーツバー」に関しては生菓子のスイーツを食べているような本格感を目指す。
技術面では、大豆の青臭みを抑えながら、甘みを引き出す製法を用いた。また同社独自の「きぬ練り製法」により、なめらか食感でありつつも、しなやかで折れにくい。
11の国と地域で商標出願中で、アジアや欧州を皮切りに、世界に販路を拡大していく。具体的には、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、シンガポール、米国、英国、イタリア、フィンランドを挙げた。栃木の工場で豆腐バーの2ライン目を3月から稼働させるという。25年3月期に海外売上3,000万円を見込み、2026年に5億円を目指す。
最後に工藤副社長は、「豆腐は日本独自の進化を遂げた、固有の価値を持つPBFだと思う。健康的でおいしく、持続的な食生活に貢献する食品になる。『モットーフ』の販売をきっかけに、豆腐の潜在価値を最大限に引き出し、世界に届けたい」と意気込んだ。
豆腐バーの出荷実績は、2024年12月時点で累計1,300万本を突破した。2023年3月に「なめらか豆腐バー」を発売開始し、同年11月に第53回食品産業技術功労賞を受賞、2024年3月にセブン‐イレブンから発売した「豆腐スイーツバー ガトーショコラ味」がSNSで大きく拡散されたことをきっかけに、出荷実績を大きく伸ばした。なお、同社の2024年3月期は前年比7%増の191億円となり、2025年3月期は同3%増の202億円を見込む。
〈大豆油量日報 2月20日付〉