納豆業界全体に向けて会員企業の輸出支援、生き残り戦略の1つに/納豆連

納豆業界で輸出への関心が高まっている。「例年、1月の納豆の売上は、年末年始がある関係で売上が下がる傾向にあるが、今年は納豆が値上げしたにもかかわらず伸びた」(納豆容器メーカー)との話も聞かれる。
好調要因は、輸出実績が売上を押し上げたことによるもので、ヨーロッパや米国、中国、韓国などで多く輸出されている。販売単価も、日本より高めに設定されているようだ。
輸出を推進するために、全国納豆協同組合連合会(納豆連)では、会員企業の輸出を支援する取り組みを2年前から始めている。業界全体に向けて、海外の展示会を視察する機会を作っており、例えば1月にはマルキン食品、昨年1月にはあづま食品とミツカンがラスベガスの展示会を視察した。
長谷川健太郎専務理事は、「2020年をピークに人口は減少している。2020年を納豆供給量の適正値と仮定すると、現在は過剰ということになる。国内での消費が減ってくる中で、事業を辞めないなら輸出も考えないとならない」と見解を述べる。納豆メーカーが生き残るための戦略の1つとして、輸出を提示しているという。
一方、輸出量が増えると人件費がかかるため、省人化も進めていく必要があるとの意見もあり、特に中小企業では今後の課題になりそうだ。
香港に納豆を輸出している野呂剛弘会長は、「香港は、たれやからしが入っている日本の納豆を完全に受け入れている」と好感触を示す。
ヘルシーフーズワタナベでは、タイに納豆を輸出している。商品は、第19回全国納豆鑑評会のアメリカ大豆部門で特別賞を受賞した「極味」(きわみ)で、日本で販売しているのと同じものだ。かつお風味のたれと、からしを添付している。渡辺成行社長によると、「パッケージデザインに英語表記が入っており、輸出にマッチしている」ことから同商品を輸出しているという。
〈大豆油糧日報 4月1日付〉