井村屋が「アップサイクルセンター」を竣工、おから、あずきの副産物を原料化へ

井村屋は3月21日、三重県津市の本社工場内に「アップサイクルセンター」を竣工した。同センターでは、商品の製造工程で発生する食品ロスを原料化し、既存商品や新規商品などに活用するほか、業務用素材として展開する。食品ロスのアップサイクルによってゼロエミッションの実現を目指すとともに、廃棄時に発生するCO2の削減を通じて環境負荷の軽減を図る。4月中に予定している本格稼働を前に、このほど報道陣に公開した。
同センターは旧冷凍和菓子工場を改装して設置した。延床面積は748平方メートル(1・2階各370平方メートル)、従業員は5人となる。1階に乾燥機や気流粉砕装置を導入して食品ロスの乾燥・粉砕を行い、2階で菓子を中心とした商品の製造・包装を行う。まずは、おから、あずき副産物、カステラ切れ端の活用から始める。
井村屋グループの大西安樹社長は、「当社はバイオマスボイラーやコージェネレーション、太陽光発電の導入を通じて環境配慮型経営を推進してきた。アップサイクル事業はその一環」と話した。
井村屋(事業会社)の岩本康社長は、「アップサイクル拠点として稼働する。多様な商品を製造する本社工場の中央に位置する。この工場の特性を生かして商品に新しい価値を付加していく」と強調した。
同社の食品ロスは年間約3,600t(2023年度)。2025年度には2023年度比で50%削減する目標を掲げている。食品ロスのうち、まずはおから約1,400t、あずき副産物約200t、カステラ切れ端約200tのアップサイクルを進める。現在ほとんど飼料・たい肥として再利用されているおから、あずき副産物は、パウダー化して既存商品や新規商品への活用を予定する。カステラの切れ端は新規商品への活用する計画だ。

試作品として、おからクッキー、あずきクッキー、カステラを使ったラムボールが試食提供された。保水性に優れるおからパウダーについては、中華まん生地に応用し、2026年秋冬商品での採用を計画している。さらに、既に業務用で一部販売している冷凍おからについては、豆腐などを製造する「あのつFACTORY」(三重県津市)からセンターへ移管する予定だ。
なお、センターは、バイオマスボイラー、太陽光発電、コージェネレーションといった環境に配慮したエネルギーを併用して稼働している。
〈大豆油糧日報 4月2日付〉