日本サブウェイ、ブランド改革へ始動 5月メニュー改定でサラダ本格導入も

野菜を一緒にトーストした新メニュー「ホットフラット」
〈オーダーメイドスタイルを再訴求 “サンドイッチだけでなくサラダも”〉
日本上陸26年目を迎えるサンドイッチ・チェーン「サブウェイ」は今年、大幅なブランド改革へと舵を切る。

ロゴを始めとする全ビジュアルを刷新し、5月に予定するメニュー改定では、オーダーメイドスタイルを再訴求する。サンドイッチだけでなくサラダの訴求も強める意向だ。同業態を運営する日本サブウェイ(東京都品川区)の角田淳社長は、「2018年は変革の年。新生『サブウェイ』の誕生に大いに期待して欲しい」と不退転の決意を語る。本国アメリカでも進むブランド改革が、いよいよ日本でも本格的に始動する。

日本サブウェイ・角田淳社長

日本サブウェイ・角田淳社長

〈本国アメリカは「ファストカジュアル」台頭で停滞傾向、ブランド改革で巻き返し/日本サブウェイ・角田社長〉
――ブランド改革の経緯と狙い

1965年、アメリカに誕生したサブウェイは、世界110カ国に4万4000店舗以上を展開する店舗数世界No.1のサンドイッチ・チェーン。お客様一人ひとりの好みに合わせてサンドイッチを作るオーダーメイドスタイルが支持されてきたが、アメリカでは低価格と質の高さを兼ね備えた「ファストカジュアル」の台頭で近年、店舗数・売り上げとも停滞傾向で進んでいる。そこで着手したのが、サブウェイの価値を再訴求するブランド改革だ。

一方、日本では09年から14年まで一気に300店近くオープンし最大477店舗まで拡大したが、現在350店舗まで縮小している。認知度の高い都心部は好調に推移しているがブランドの浸透していない地方は特に厳しい状況が続いており、人手不足が深刻化している地域では好調な店舗であっても閉店を余儀なくされている現状だ。日本でもブランド改革を実施し巻き返しを図る。

昨年からブランドロゴ刷新をスタートした。ブランドアイコンとして新たに「チョイスマーク」を導入。一人ひとりのライフスタイルや、その日の気分に合わせて好きな具材を好みの量で「チョイス=選択」できるサンドイッチ・チェーンであることを再訴求し、独自ポジションの確立を目指す。本国と同一の新ユニフォームも導入し、新店舗デザインへと改装を進め、新生サブウェイを具現化していく予定だ。

〈長さ30cmのサンド「フットロング」を”お得な価格”に アメリカの人気メニューも投入〉
――5月にはメニュー改訂を予定

本格的なブランド改革に向け、今年5月にはメニュー改訂を実施する。既存の商品に加えて、本国で人気のメニューも投入していく意向だ。レギュラーサンドイッチの2倍サイズ(長さ30cm)の「フットロング」をお得な価格設定に変更し、主要客層の女性に加え、男性も取り込んでいきたい。ヘルシーかつおいしさ、ボリューム感のあるファストフードチェーンは日本には他に存在していないことから、「フットロング」の導入で、サブウェイに出会ったことのない男性の健康ニーズも掴む。一番人気の「えびアボカド」を筆頭に、日本創業後、ローカライズしたメニューも継続して販売していく。

また本国では定番のサラダも本格的に導入していく。当初からサンドイッチをサラダに変更可能であることを日本のメニューにも記載していたが、表だってPRはしてこなかった。サラダブームが日本にも到来しており、野菜がたっぷり摂れるパワーサラダの大本命としてサラダの需要も取り込みたい。レタス以外の野菜も全て増量し、食事として楽しんでいただける十分な量にしていく。サラダの訴求に加え、生野菜のラインアップも変更する。レタス・オニオン・トマト・ピーマンの4種に加えニンジンを追加、またオニオンは白から紫オニオンに変更し彩り鮮やかに、見た目にもおいしさを訴求する。季節の野菜も投入を検討しており、より”チョイス”できるサブウェイへと生まれ変わる。

――今後の方針を

引き続き、日本市場に向けた独自サービスを提供すると共に、グローバル資源を生かした新サービスの導入、食材調達を行っていく。グローバル基準に倣いMSG(グルタミン酸ナトリウム)不使用を推進するなど、食の安心安全に向けた取り組みも強化していく意向だ。

1月には野菜を一緒にトーストしたホットサンド「ホットフラット・バジルチキン~イタリア産スモークモッツァレラ使用~」を初めて発売するなど新しいメニューにもチャレンジしていきたい。加えて定番商品のブラッシュアップも定期的に実施し、付加価値の高い商品の提供に邁進していく。

〈食品産業新聞 2018年2月15日付「外食特集」より〉

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