極洋、水産と食品の規模均衡へ 冷食は売上高1000億円/新中期経営計画

極洋は3月30日、2018~20年度の3カ年を対象とした新中期経営計画「Change Kyokuyo2021」を発表した。最終年度に売上高3000億円、営業利益60億円(営業利益率2%)、経常利益60億円、海外売上高比率15%――などを目指す。

特に食品事業の拡大を大きな課題に掲げ、水産商事並みの売り上げ・利益水準まで引き上げる方針だ。そのうち冷食事業は売上高1000億円、営業利益23億円を目標数値とした。「当社グループが持続的に成長し続けるためには、食品事業における生産、加工、販売を拡大していかなければならない」と強調している。

基本方針は「魚を中心とした総合食品会社として、高収益構造への転換をはかり、資源、環境、労働などの社会的要請を踏まえ、事業のウイングの拡大と時間価値の提供により企業価値の向上を目指す」。柱となる戦略として「拡大」「強化」「均衡」「ESG重視の事業活動」の4つを立てた。

「拡大」戦略について、食品事業では「工場生産性の向上、生産コストの低減を通じ、競争力のある商品を提供することにより販売拡大を図るほか、新規の商品アイテムへの取り組み、生産工場の設備増強・改善を進める」。また「商品の高付加価値化を進めるための品質管理、商品開発はもとより、積極的なAI機器の導入による効率化も行う」。

「強化」戦略については資源アクセス・商品開発・ブランド―の3項目を挙げた。商品開発については国内の人口構造や消費動向の変化、機能性食品などニーズの多様化が進んでいることから「これまで以上にマーケットニーズの把握が重要となっている」としたうえで「食品セグメントだけでなく、水産商事セグメントにおいてもコンシューマー商品としての提供方法を模索し、幅広く消費者に届けられるよう、開発のスピード化、アイテムの拡充を進めていく」。

「均衡」戦略としては、事業構造と資本政策をテーマに掲げた。そのうち事業構造の均衡について、水産商事セグメントに売上高、利益とも依存度が高い状況から脱却する必要があるとして「食品セグメント(冷凍食品と常温食品)の収益力を上げ、グループ事業のバランス構造を均衡させていかなければならない」とした。

〈食品産業新聞 2018年4月5日付より〉

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