宮城県東松島市の復興支援を加速、大麦栽培は昨年の3倍の収量へ/アサヒ
アサヒフードクリエイトは、5日から、TOKYO隅田川ブルーイングとスーパードライ新宿で、東日本大震災で被災した宮城県東松島市の沿岸部の旧運動公園跡地で育てた大麦を使用した「希望の大麦エール2018」を発売開始した。販売価格は750円(税込)で、1杯につき100円を、東松島市の復興活動に寄付する。今年で3年目。
2017年6月に収穫した大麦を使用し、東京隅田川ブルーイングの醸造所「隅田川パブブルワリー」で限定醸造した。アルトタイプのクラフトビール。
「希望の大麦エール2018」
アサヒグループホールディングス(アサヒGHD)と一般社団法人東松島みらい機構(HOPE)は、被災し沿岸部の土地で「大麦」の栽培をすることで、被災した土地の有効活用を目指す「希望の大麦プロジェクト」に取り組んでいる。14年に試験栽培を開始し、15年6月には1.2トン、16年6月に4.4トン、17年6月に5.7トンを収穫した。このたび現地農業法人と契約したことで、農地面積は1.4ヘクタールから7.8ヘクタールに拡大し、18年6月には18.5トンを収穫できる見込みとなっている。
「希望の大麦エール」の販売推移は、16年が売上総数3,763杯で寄付金額は37万6,300円、17年は3,715杯、37万1,500円の寄付金額となった。
アサヒGHDは6日、本社の「スーパードライ」ホールで、試飲会を開催した。冒頭、加賀美昇取締役CSR 担当役員があいさつして「2014年からアサヒグループは、東松島市の復興に何かできないかということで、HOPE さんと一緒に、このプロジェクトに取り組んできた。津波が襲った沿岸部の公園の跡地に土地を耕して、大麦を植えた。昨秋から圃場から農業法人に移行することになり、今年の6月の収穫は前年より3倍を超えることになりそうだ」と述べた。
次に東松島市の古山守夫市長が登壇して、市の復興現状を報告した。復興は産・学官・民をあげて取り組んでおり、他の被災地と比して復興が進んでおり注目されているという。最後にアサヒグループからHOPE に出向している三井茂史氏が、復興事業の中間支援組織であるHOPE の紹介と、復興庁を通じて、現地へグループ社員を派遣するなどのアサヒグループの取り組みを説明。「17年10月から地元の農業生産法人との契約栽培を開始した。今後は“支援”から“なりわり”としての仕組みを構築していきたい」と語った。
〈酒類飲料日報 2018年3月8日付より〉
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