“サラダチキン”大幅伸長 メーカー各社、新商品で利用シーン拡大など取組み

各社新商品(左上から時計回りに伊藤ハム、日本ハム、丸大食品、フードリエ、JA全農グループ)
〈低カロリー高たんぱくで注目 人気のきっかけはセブン‐イレブンのPB商品〉
鶏のむね肉を原料に使ったサラダチキンは、低カロリー高たんぱくであり、健康志向の高まりを背景に、近年、注目を集めている。サラダ具材などとして00年代から展開されていたが、10年代に入りセブン‐イレブンがPB(プライベートブランド)商品を展開してから一気に人気に火がついた。

日本ハム・ソーセージ工業協同組合の統計によると、昨年の食肉加工品全体の生産数量は、前年比2.9%増の55万4,262tで、95年以来、22年ぶりに55万tを超えた。その中で、サラダチキンを含む「その他ハム」カテゴリの生産数量は前年比88.8%増と大きく伸長している。また、原料となる鶏むね肉の卸売価格は、今年1月には1kg当たり318円(前月比17.6%増)と12ヵ月連続で前年同月を上回った。

〈新フレーバー、スティックタイプ、切り落としアイテムなど投入/各メーカー動向〉
大きく伸長しているサラダチキン市場に向けて、今春もメーカー各社は新フレーバー投入によるラインアップの強化、スティックタイプや切り落としアイテムの投入による利用シーン拡大など様々な取組みを行っている。各社の主なサラダチキン新商品は次の通り。

日本ハム=サラダや夕食のおかずなどに利用できるブロックタイプの「プレーン」、「スモーク」の2品を投入。このほか、鶏肉を成型・加工してやわらかい食感に仕上げた糖質ゼロの「ローストサラダチキン」シリーズからダイスチーズ入りの「チーズ」を発売している。そのまま食べるほか、サラダやパスタなど幅広いメニューでの利用が可能。

伊藤ハム=ブロックタイプでは新フレーバーとして、「サラダチキン梅しそ」を発売。梅しそのすっきりとした酸味が特長で、ターゲットは健康志向の若年層。このほか、スチーム仕上げでしっとりとした食感が特長の「さいても美味しいサラダに! 蒸し鶏」シリーズから「プレーン」と「ハーブ」を投入している。

プリマハム=「プリマヘルシー」シリーズからブロックタイプの「糖質ゼロ サラダチキン レモン&ペッパー」、手軽に食べられる「サラダチキン スティックタイプ」、保管に便利なフタピタ機能付容器に入った「サラダにちょうどいいね。サラダチキン スライス」などを投入している。

丸大食品=サラダチキンシリーズに新たにブロックタイプをラインアップ。鶏むね肉をやわらかくジューシーに仕上げた「プレーン」、「ハーブ」、「レモン&ライム」の3品を投入。このほか、汎用性の高い「サラダチキン 切落しプレーン」も発売している。

福留ハム=今春からサラダチキンアイテムを投入。国産鶏むね肉を味付けしてやわらかく仕上げた「サラダチキン プレーン」、「同 スモーク」の2アイテムを発売している。

滝沢ハム=ブロックタイプでは「プレーン」のほか、サラダに合う味として「ハーブ」、「オレンジ」、「メキシカン」の計4品を投入している。また、食べやすい皮なしタイプの「サラダチキンソーセージ」では「あらびき」、「ほそびき」の2品を発売。

フードリエ=国産原料を使用した利便性の高い厚切りスライスタイプ(スライス厚約5㎜)の「サラダチキン厚切りプレーン」を投入するほか、醤油ベースの味付けで、つまみやおかずだけでなく、ラーメンへのトッピングにも利用できる「国産鶏叉焼」を展開している。

JA全農グループ=全農チキンは「九州産若どり使用サラダチキン プレーン」、「同 ハーブ」の2アイテムを展開している。九州産の若どりむね肉を使い、鹿児島・宮崎県の工場で、やわらかく蒸して仕上げている。国産素材にこだわる安心の「全農ブランド」として訴求し、取扱先からも海外産原料など他のサラダチキンよりも味わい、食感が良いと評価されているという。

〈食品産業新聞 2018年3月26日付より〉

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