デイブレイク「アートロックフローズン認証」品質高い冷凍の目印に 目標は“冷凍商品のミシュランガイド”【ブランドの創りかた】
特殊冷凍機の販売や導入支援などを行っているデイブレイクは、高品質な冷凍食品であることを保証する認証制度「アートロックフローズン認証」を2022年6月から開始している。
【関連記事】デイブレイク 特殊冷凍機の販売順調、特殊冷凍技術用いた食材販売も実施、認証制度も検討/木下昌之社長インタビュー
将来的には「ミシュランガイド」のように、高品質な冷凍商品の保証になれるよう取り組みを進めている。執行役員CSOの春日大輝氏は「自分たちが騒ぐだけでは何も変わらない。こだわりを持って一緒に取り組む仲間を増やしたい」と力を込める。
「アートロックフローズン認証」は、食材の選定や前処理、加工、凍結、保管、解凍などの評価項目すべてで基準を満たすとともに、デイブレイクの社内外の有識者による味や見た目の評価を経て、認証の取得に至る。この認証の立ち上げは「コロナ禍に入ってそれほど経っていない頃から進めていた」(春日氏)という。
【関連記事】横浜桂林「具材“映える”」冷凍中華発売、あんかけ焼きそば・チャーハンなど6品、デイブレイク瞬間凍結機初の認証取得
当時、飲食店ではイートインの利用が減り、テイクアウトやデリバリーの需要が急増した。その頃から、ECなどで販売しやすい冷凍は飲食店からの注目を集めつつあった。春日氏は「冷凍自販機など、対面を必要としない販売が増え、冷凍商品は確実に活用されるようになった。その中で差別化できるような商品を欲しいという声があり、ちゃんとした冷凍という裏付けのある商品としてこの認証の取り組みを始めた」と話す。
さまざまな冷凍商品が出ているが、適切な冷凍を行っていないなどで、せっかくの商品の品質を落としてしまうこともあるという。冷凍食品が普及する中で、「冷凍=まずい」という考えに至ってしまうのは、将来的にあまり良いことではない。そこで、品質の優れた商品に認証を与えることで、ちゃんと美味しい商品であることを伝える。「将来的には、認証を見ただけで『これはちゃんと美味しい商品なんだ』と分かるような制度に育てられればと思う」と語る。
第1弾商品は、中華惣菜を販売する横浜桂林の「アートロック中華」だ。開発には1年近い時間を要した。食品サンプルのようなかわいい見た目ながらも食材にもこだわり、手軽に本格的な味を楽しめる商品に仕上げた。現在は一部店舗での販売に留まるが、EC 販売も計画している。
冷凍食品の市場は着実に広がる中、既存の冷凍食品よりも高価な冷凍食品も販売を広げている。ただ、市場規模としては決してまだ大きくはない。その市場を広げるべく、デイブレイクはさまざまな取り組みを進めている。「アートロックフローズン認証」の取得に向けて、現在も数社が商品開発を進めているほか、百貨店での認証商品の販売も検討しているという。
この認証の目指す姿を春日氏に聞くと、「冷凍だから美味しい、という価値をみんなで作っていきたい」と語る。仮に1社だけで認証取得のためにどれだけこだわった商品なのかを伝えようとしても、それは伝えきれないという。いくつもの企業で同じマークを使い、それぞれで伝えていくことで、「高品質の冷凍食品である」というブランド価値の訴求を目指している。だからこそ「普及には時間がかかると思う。草の根運動的に取り組みたい」と語る。また、「ミシュランのレストランに行くように、認証を得た商品を買ってもらえるように育てられれば」と力を込めた。
〈冷食日報2022年8月19日付〉