2023年商品化に向け、植樹を開始/サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード
岸本氏は「ニッカ創業者竹鶴政孝は、ウイスキー造り理想の地を求めて余市に蒸留所を構え、80年に渡りウイスキー造りにまい進してきた。今般、ワイン用ぶどう栽培ができるようになったことをうれしく思う。余市は北海道最大のぶどう生産量を誇るとともに、北海道初のワイン特区となり、新たな生産者も続々誕生している。ワインツーリズムも盛んなことから、我々もウイスキーに加え、ワインぶどうの栽培をとおして余市の魅力を発信したい」とあいさつした。
余市蒸溜所には年間60万人が来場するが、今後は蒸溜所とぶどう畑の見学をセットにしたツアーなども企画する。
また、細山氏は「マッサン以来、観光客も増え、余市の名を世界に広げてくれたことに感謝している。余市では果樹栽培が盛んだったが、40年前からワイン用ぶどうの栽培を開始。年々ぶどう栽培の比率が上がっている。余市を日本一のワイン産地にしたい」と話した。余市ヴィンヤードも、もともとはりんごなどの果樹が植わっていた畑で、「風通しの良さが購入の決め手となった」(同ヴィンヤード取締役宮川養一氏)。
サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード 宮川取締役
4haの畑に1万本を植樹予定で、今年は5,000本を確保した。ピノ・ノワール4,000本、ケルナー、ピノ・グリ、シャルドネの3種で1,000本を、2週間かけて植樹する。来年はピノ・ノワールをさらに1,000本、ケルナーとピノ・グリも増やす予定。醸造所はまだ決まっていないが、2023年にはファーストヴィンテージを2,000c/s発売予定。
〈2025年までに畑を10haに拡大、約3億円・2万c/sの売上規模目指す〉
アサヒビールマーケティング第四部長福北耕一氏は、「当社の日本ワイン生産量は今年、6,000c/s。余市のぶどうを使ったファーストヴィンテージを出荷する2023年には、合計で15,000c/s、2025年までには畑を10haに拡大し、2万c/s、約3億円の売り上げ規模を目指す」とし、「余市ならではのワインをフラッグシップとして育成したい」と話す。
西川氏は、圃場について説明したのち、「愛好家から募集したヴィンヤードサポーターには、定員30名のところ400名の応募があった。関心の高さがうかがえる。今週末には25名を迎え、植樹を手伝ってもらうほか、剪定や収穫なども体験してもらう。余市のぶどうの名に恥じない、良質なぶどうを造りたい」と話した。
〈酒類飲料日報 2018年5月11日付より〉
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