“これからの時代”に向き合う「サントリー生ビール」/サントリー【食品産業技術功労賞】
サントリーが2023年4月4日に発売した「サントリー生ビール」は、スーパーで350ml缶が180円(税別)ほど。「これからの時代のビール」を強くアピールし、発売3カ月で200万ケースを突破し、当初年間計画の約1.3倍にあたる400万ケースに上方修正した。
「グッとくる飲みごたえと、かつてない飲みやすさ」が“ビール離れ”と言われる若年層の世代を捉えた。また、味だけでなく、情緒的な価値の提案が奏功している。マーケティング方針の「すべての人の一日の終わりをねぎらい、生きる力を後押しする」というメッセージが好評だ。「全員、優勝。」というテレビCMも若者に共感を得た。ビールの王道ではない斬新なパッケージデザインも受けた。
味わいで目指したのは、「飲みはじめから飲み終わりまでずっとおいしい」ということ。そのために、5年間で300回以上に及ぶ試験醸造評価を行った。原料は、麦芽100%ではなくコーングリッツを使用。製法はトリプルデコクション製法を採用し、グッとくる飲みごたえと、軽快感・爽快感を両立した。
この「サントリー生ビール」は、第53回 食品産業技術功労賞「商品・技術部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉