クアラルンプールで初の和牛セミナー、和牛への関心高まる/日本畜産物輸出促進協議会
日本からは、同国への輸出認定と畜場を持つ全国開拓農業協同組合連合会の臼井靖彦部長と、にし阿波ビーフ(株)の中谷利充部長が参加し、県関係者とともに現地レストラン関係者を含む食肉事業者や小売事業者に自社の和牛肉のPRも行った。
第1部の講演及び実演では、同協議会理事の菱沼毅氏による和牛肉の魅力や和牛肉統一マークの説明を中心に、外国産WAGYUとの違いについて解説した。また実演では、ゼンカイミート(株)執行役員工場長の犬童良行氏による和牛肉のカッティングデモと、現地ヒルトン内・日本料理店「池澤」の料理長によるステーキ等の調理実演を行った。当日は120人以上の参加があり、来場者の多くは講演及び実演に熱心に聞き入っており、品質、衛生管理などについての質問も多く、現地の和牛に対する関心の高さが伺えた。
第2部の情報交流会には、宮腰光寛内閣総理大臣補佐官、駐マレーシア大使館の宮川眞喜雄氏、マレーシア農業・農業関連産業相のアフマドシャベリー・チーク氏のほか、各省の幹部も駆けつけた。アフマドシャベリ―農業・農業関連産業相は、「価格の高い日本産和牛は国内ではニッチな商品ではあるが、一般に広く普及しているインド産水牛や豪州産WAGYUに加えて、日本産和牛という選択肢が増えたことをうれしく思う」とコメント。宮腰内閣総理大臣補佐官は、「マレーシアのハラール認証は世界的にも信頼が高く、マレーシアで認められたことを契機として、他のイスラム諸国にも売り込んでいきたい」と意欲を見せた。
マレーシア農業・農業関連産業相 アフマドシャベリー・チーク氏
日本サイドと現地インポーターやレストラン関係者との意見交換会では、現地サイドからは、利用価値の高い部位を含むフルセット輸出の希望が多く、フルセット輸出のために、カット方法や調理方法をいかに教育、浸透させるかについての議論が進んだ。
そのなかで宮腰内閣総理大臣補佐官は、「フルセットの解体、カット、パック等を共同で行えば効率がよい。また食べ方の普及のため、より多くの店が取り扱ってくれれば」とコメントした。
〈畜産日報 2018年4月5日付より〉
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