カナダビーフ国際機構(CBII)が北海道・札幌市内で初のカナダビーフセミナーを開催
サプライヤーのプレゼンでは、カーギルから輸出企業として現地工場における生産工程や2017年のグレーディングの発生率などが紹介されたほか、全国食肉学校の田中智洋専任講師によるカッティングデモンストレーションが行われた。
カナダビーフ国際機構・下嶋大介代表
セミナーの冒頭で下嶋代表は、「これまで地域に根差したマーケティング活動を実施し、カナダビーフが買える・食べられる環境づくりを強化してきた。17年の対日向け輸出量は前年比27%増の2万6,267tと市場は拡大している。これまでのバラ系部位を中心とした冷凍牛肉からタン・アウトといった内臓、焼き材を中心とした冷蔵牛肉の取扱いが増えてきている」と現状を説明し、「北海道においてもカナダビーフの取扱いが増えてきており、北海道とアルバータ州が姉妹都市提携を結んでいることから、北海道はゆかりの深い土地である。カナダビーフを通じてさらなるビジネスやコミュニティが確立することを願っている」と述べた。
また、「カナダもTPP11に加盟しており、対日市場で関税の引下げなどが予定されていることから、今後カナダ畜肉事業の大きな飛躍を期待している。世界情勢の大きな変化に伴い、カナダビーフのビジネスにおいても変革期を迎えている。今回のセミナーを通じて、皆様にはカナダビーフの知識を新たなものとし、その優位性や価値をマーケティング拡張のヒントにしてほしい」と呼びかけた。
鬼沢裕子シニアマネージャーによるプレゼン
鬼沢マネージャーのプレゼンでは、▽北米で唯一義務化されたトレーサビリティシステム▽100%肉専用種▽良質な大麦・トウモロコシでの穀物肥育▽厳しい格付け基準――などカナダビーフの優位性が紹介された。また、マーケティングサポートでは、▽販促物の貸出しなど目を引く売り場づくりを支援するインストアプロモーション▽量販店での店外型BBQイベントの開催▽食育の一環としての親子料理教室▽著名な料理研究家とコラボレーションする量販店向けキャンペーン――とこれまで実施していきた事例を紹介した。
サポートの条件や目的として、「カナダビーフを差別化し、しっかりと売っていただける方たちには大小問わずサポートしていく。小回りの利く、きめ細かいサポートを行うと同時にカナダビーフのブランド力向上にも努めていきたい」と参加者に向けてプレゼンした。
ガーギルジャパンの佐藤努氏のプレゼンでは、▽High River 工場とGuelph 工場の特長▽工場における生産工程と食品安全の取組み▽2017年の発生率と今年の展望――について紹介した。このうち、17年のグレーディングの発生率ではカナダプライムが2%、カナダAAAが64%、カナダAAが32%と非常に成果が良く、品質が向上していると評価し、引続き良質な肉牛が出てくると考えを示した。今後の展望として、「19年に向けてはTPP11でカナダ産牛肉の関税低減が見込まれる。ぜひ、この関税低減のアドバンテージを利用して、カナダビーフを売っていってほしい」と述べた。
その後、田中専任講師によるカッティングデモンストレーションでは、トップブレード、チャックアイロール、ストリップロインを使用し、カットでの価値づくりを訴求し、カナダビーフの肉質や規格は、お客様の要望に応えられるバリエーションがあると、その魅力を伝えた。
〈畜産日報 2018年6月20日付より〉
【関連記事】
・CBIIが初のシェフ向けセミナー、カナダビーフの優位性、カットや調理方法を紹介
・FOODEX2018に過去最大規模の3,466社出展 米国、カナダのほか欧州からの畜産関係が多数参加
・〈大阪北部地震〉畜産・食肉関連では一部事務所で軽度の被害も目立った影響は認められず
・6月27~29日開催「第3回ドリンク ジャパン」、食品向けの最新製品・技術が多数展示