大豆ミートのにおいが気ならない、素材のうま味も引き出す「液体塩こうじ」の可能性
〈関連記事〉ヴィーガンレストラン「ピーステーブル」とハナマルキがコラボ、「液体塩こうじ」で調理した大豆ミートメニューを提供
ハナマルキ「液体塩こうじ」
最近は、植物性たん白を畜肉の代わりに摂取することが、環境に良く、サスティナブルな(=持続可能な)活動として、流行し始めている。その多くは、大豆から油分を搾り取った後に残る脱脂大豆を主原料として開発されているが、食感やにおいに対して抵抗を感じる人も多い。
「PEACE TABLE」ではその課題の克服に取り組んでいる。オーナーシェフの大平哲雄氏に話を聞いた。
PEACE TABLE・大平シェフ
「発酵調味料には興味があり、あらゆる物に関心を抱いていた。ハナマルキの『液体塩こうじ』は液体なので使いやすく、いろいろな調理に向いているとあって、試したいと思っていた。大豆ミートは下処理しないと噛んだ時に大豆のにおいが出てしまう。大豆ミートを調理する場合、水で戻して、お湯で戻して、素揚げして、マリネして、そこから調理に使うぐらい、下処理には気をつかっていた。そうしないと、大豆のにおいが出てしまうためだ。しかし、『液体塩こうじ』をお湯の工程から使ってみたら、大豆のにおいが消えていた。これにはびっくりした」と驚きを隠さない。
さらに、この調味料の可能性については、「新型コロナが収束し、インバウンドが復活して、あらゆる外食店がヴィーガン対応を余儀されなくなるだろう。そうした時に、『液体塩こうじ』のような調味料が求められる」と指摘する。
2月の限定メニューは「液体塩こうじソイミートと大根のステーキ、塩こうじあんかけ風」を提供した。3月は「液体塩こうじを使ったエシャロットと旬彩のラグー」、4月は「液体塩こうじソイミートとアボカドのタルタル風」となっている。
なお、ハナマルキが実施した香気分析では、「液体塩こうじ」には、大豆由来の植物たん白に含まれる、油分の酸化臭で知られる「ヘキサナール」の発生量を20%以上減少させる効果があることが確認されたという。
ハナマルキは、これは「液体塩こうじ」の持つ糖分(ブドウ糖)がヘキサナールを吸着し、物理的マスキングによりヘキサナールの発生を抑えているためと考えられるとする。また、「液体塩こうじ」はにおいを抑えるだけでなく、素材のうま味を引き出す効果を持ち、下処理だけでなく調味料としても活用できるほか、動物性原料不使用のため、ヴィーガン料理にも安心して使える調味料だとしている。