西日本豪雨、瀬戸内地方を中心に被害多数〈酒類飲料日報調査〉

酒類飲料日報 2018年7月10日付
西日本を中心とした記録的な大雨の影響について、「大雨特別警報」が発令された府県について本紙で該当の各団体に電話でヒヤリングを行い、9日17時現在の被害状況などをまとめた。

【東海地方】 岐阜県酒造組合によると、道路が寸断され物流面での問題が生じている可能性はあるとしつつも、浸水や損壊などの被害については確認していないとのこと。

【近畿地方】 兵庫県酒造組合連合会によると、丹波市内の1社で倉庫が浸水し、商品と原料米が濡れたという報告があった。同じ丹波市内でも他蔵では全く被害がなかったという。京都府酒造組合連合会では、被害状況を確認中としている。

【中国地方】 広島県酒造組合によると竹原市、呉市、東広島市安芸津町など広島県内の沿岸部のメーカーで床上、床下浸水など大きな被害が発生し、製造ができない状態が続いているという。山口県酒造組合によると、岩国市の旭酒造が床上浸水と停電により被災したという。同社のTwitter アカウントでは蔵見学や本社隣接の直営店の営業、web ストアの注文の受付の中止などが告知されたほか、出荷状況についても触れており「被災していない出荷センターに在庫があり、事務所機能が回復次第出荷を再開する。すぐに商品が無くなる想定は無い」とのこと。岡山県、鳥取県、島根県の各酒造組合では「特に主だった被害は確認できていない」という。

【四国地方】 愛媛県酒造組合によると、大洲市の養老酒造と西予市の緒方酒造が屋根まで水没。復旧のめどは立っていないとのこと。高知県酒造組合では特に大きな被害は確認していないという。

【九州地方】 福岡県酒造組合は被害状況を確認中で、返答のない酒蔵もあるとしながらも、9日現在の段階では、目立った被害は出ていないという。

佐賀県酒造組合によると、7月3日の台風の被害に加え、今回の大雨で二重の被害にあったところが一部の蔵で見られた。台風7号では3蔵が被害にあったという。具体的には、スレート瓦が飛び、土壁や倉庫の壁の剥がれ、トタンが飛び散り、母屋のガラスが割れ、ふろ場の雨漏りが見られた。最大の被害は、屋根瓦全体がズレ、青空が見えている状況のところもあるという。

また、大雨の被害では一部エリアで道路が冠水し、山が崩れ、床下浸水した蔵もあるとしている。川の水が流水したことで、製品自体の被害はなかったが、ダンボールなどの資材に被害が生じた。また、高台の蔵の敷地の法面(のりめん)が崩れたほか、裏山が崩れて蔵の中に土砂が流れ込み、お酒のタンクが傾くという被害もあった。

なお、いずれの府県も人的被害は確認されていない。

〈酒類飲料日報 2018年7月10日付より〉

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